堂上の妻 (ページ11)

今日:44 hit、昨日:8 hit、合計:239,975 hit

010 ページ11

---笠原side---

「ねえ柴崎、Aさんって何者？」

柴崎「私が知らない情報はない、と言いたいところなんだけど」

「まさか」

柴崎「Aさんの情報だけは集まらない、教官や隊長とかも絶対に口を割ろうとしない、本人がいづれ話すだろうからって」

「そうなのか」

柴崎「だから現時点でわかってるのは多分あんたが知ってるのと一緒、教官と同期なのに三監で防衛部、タスクフォースメンバーで、堂上教官の奥さんで子持ちってことだけ」

柴崎でもわからないものなのか

ますます不思議であり

しかもAさんはこれからも付き合いが続く

「そのうちわかるもんかな？」

柴崎「多分ね、それにしても顔ひっど、遠慮なくひっぱたかれたもんだね」

その一言が現実に引き戻す

「うるさい」

│
│

A「あなたはこの仕事に向いてない」

│
│

Aさんに言われたその言葉が

はっきりと突き刺さる

柴崎「元気だしな、堂上教官、報告書で確保者あんたにしたらしいわよ」

「え？」

柴崎「間違いなくAさんの助言でしょうね」

なんで？

今日のあたしに

確保者として評価される資格なんてない

あたしの代わりに怪我させた

堂上教官だって奥さん怪我して

良い気がしてる訳がない

笠原「ジュース買ってくる」

.

「バカね、バレバレよ」

柴崎は笠原が出ていったドアにそう呟いた