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と、言うわけで私は今メリー号の中で体育座りして、買い物に出かけたサンジとナミを待っている。
「なにしてんだ?」
「考え事」
「そうかー。あっ、おい!チョッパー!」
ルフィは私のもとへ走って来たかとおもうと、直ぐに走り去ってしまった。
実際に見るルフィも台風みたいな奴なのだ。
「なあ…」
私の右横から聞こえて来た声の方をみると、心配そうに眉を下げたウソップ がしゃがんでいた。
「ん?どした」
「本当に良いのか?」
「何が?」
「この船に乗った事だよ。この船は海賊船だぞ?危ねー事とかコエーことばっかだぞ。この島で貿易船とか待った方がいいんじゃねーか?」
ウソップは自分の体験を思い出しているのだろうか。一瞬青い顔になりながら多少オーバーアクションでそう言った。
「心配してくれてるのか」
「そ、そりゃあ…あたりめぇよ」
「あはは」
「何だよ」
急に笑った私に不満そうな顔を向けるウソップ。
「こんなに優しい海賊の船なら大丈夫さ。顔も見たこと無いような貿易船よりよっぽど良い。」
「そうか。お前が良いんなら止めやしねえけどよ…。でも、それもそうだがアレだよ!おれらの船長は危険な事に突っ込んでく奴だ。おれたちゃ何度危険な目にあった事か…」
「はは、心配性だなぁ。大丈夫さ。どうせ次の島までだ。」
悲観的なウソップに対して私はそう楽観的な事を言う。
「そうだな。此処から次の島までそう遠くないってナミも言ってたし大丈夫か!」
ウソップも安心したのかニカッと笑ってそう言った。
「そうそう、それともう一つ。」
「この船の奴らは変な奴ばっかりだが、皆いい奴だ。おれが保証する。それだけだ!じゃあな!」
そう言って笑うウソップの笑顔からは仲間への大きな信頼が読み取れた。
その時一瞬、私はウソップを少し羨ましく思った。
そしてこんなに信頼しあっている麦わらの一味も。
「待って」
立ち去るウソップを呼び止める。
「ありがとう」
その言葉は私を心配してくれた事に対してか、それとも…
私ですら何に対して感謝しているのか良くわからないが今此処でこの言葉を言わなければいけないような気がした。
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ねこねこ(プロフ) - ヒカリさん» 頑張ります!! (2016年6月25日 20時) (レス) id: d70c202b33 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - 頑張って下さい (2016年6月12日 8時) (レス) id: b438239bee (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ(プロフ) - あさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2016年5月13日 23時) (レス) id: d70c202b33 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面白いです (2016年5月13日 18時) (レス) id: a2f5159def (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ(プロフ) - K.Sさん» ありがとう御座います。更新遅くてすみません。これからも頑張らせていただきます! (2016年3月16日 0時) (レス) id: e3cc8c51e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこねこ | 作成日時:2015年11月17日 3時