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「妹紅、海軍に入らんか?」
*
時は少しさかのぼる。
一味と別れた私は一人でふらふらと町中を歩いていた。
どうやら人や物が浮けるのは一部の区域だけのようだ。残念。もしかしたら何か特別な仕組みがあるのかもしれない、シャボンディのマングローブみたいな。
そして今気づいた悩みの種。今更だが私は今、無一文だ。情報を集めるには金がいる。
私は行動を始めてすぐにそれを実感した。考えてたほど甘くはないようだ。
私が町中の求人チラシをみていると突然爆発音がした。音の大きさから察するに、音のした場所は自分がいる所から数メートルの距離だろう。
「キャーーーーーー!!」
ひめいのしたほうをみると数人の大男が町にいる人に手当たり次第切りかかっている。
私はとっさにそちらへ駆け出そうとしたが、すぐに踏みとどまる。
ずっと悩んでいた通り、今のところ私は妹紅の能力が使えないのだ。
つまり、私は小柄で非力なただの小娘。あそこで切り裂かれている少女と同じくらいの力しかない。
しばらく呆然と立ち尽くしていると、小さな女の子が私の脚にぶつかる。
女の子は顔をあげると、涙で濡れた眼をこちらに向けながら口を開いた。
「お姉さん…お母さんがっ……お母さんがっ……!!」
そう言いながら震えた手で、女の子は真紅に染まり横たわっている女性を指差した。
何かが切れる音がした。
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ねこねこ(プロフ) - ヒカリさん» 頑張ります!! (2016年6月25日 20時) (レス) id: d70c202b33 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - 頑張って下さい (2016年6月12日 8時) (レス) id: b438239bee (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ(プロフ) - あさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2016年5月13日 23時) (レス) id: d70c202b33 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面白いです (2016年5月13日 18時) (レス) id: a2f5159def (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ(プロフ) - K.Sさん» ありがとう御座います。更新遅くてすみません。これからも頑張らせていただきます! (2016年3月16日 0時) (レス) id: e3cc8c51e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこねこ | 作成日時:2015年11月17日 3時