浪速のスピードスターの休止 ページ47
いつもどおり部活ギリギリに起きて家を出る。お母ンはドタバタせんと余裕もって行動しろうるさいが、浪速のスピードスターにとってはこの時間でも余裕なのだ。
学校へ行く途中で聞き覚えのある、しかし聞いたことの無い声音が聞こえてきた。
幸村が俺たちの前ではしたことがないような表情で流暢に電話していた。
謙(なんや、あないに色んな顔出来るやんけ)
電話は終わったようで幸村はスキップし始めた。
小動物がぴょこぴょこ跳ねてるようで可愛らしい。少し脅かしたろと思い、音もなく走って近づいた。
謙｢なんや、幸村上機嫌やな!｣
｢え!?｣
幸村は心底驚いた顔をしてこっちを向くとメガネ越しに目が合った。まあ、目が合ったのはその一瞬だけですぐ下を向いてしまったが。
まだ俺に慣れていないのやからしゃーないと思いスルーして話を続ける。
謙｢電話しとったみたいやけど、なんかええ事あったん?｣
｢え、あ、いや…はい｣
謙｢ふっ、どっちやねん｣
しどろもどろしながらも話そうとする幸村につい笑ってしまう。話す時ぷるぷる少し震える姿も小動物みたいだ。
｢あ、ありました!あの、兄と電話、してて…それで、その、真田とも話して…四天宝寺を、全力で捻り潰すって、言ってくれて｣
謙｢なんや、それ!自分のええ事めっちゃ怖いやん｣
｢え、あ、すみません…!!｣
予想外すぎる答えにビビった。しかし、失敗したみたいな顔をしている幸村を見るに口下手なだけなのだろう。いつもだったらココで話を切り上げてしまうが、せっかく初めて出来た後輩だゆっくり聞いていこう。
謙｢冗談や冗談。幸村も学校行くんやろ。行きながら教えてくれ｣
｢は、はい｣
謙(今後こそちゃんと話そう思うとるんか?)
小さくガッツポーズをする幸村を見てるとそう感じた。少しは浪速のスピードスターを休んでもいいだろう。幸村の歩幅に合わせて歩き始めた。
短い距離だったからか意外とすぐ着いてしまった。昨日も思ったが幸村は意外と熱いやつなのだろう。話してみるとアニキ達に負けないという気持ちが伝わってきた。
謙｢自分,演劇部の方やろ?静のやつ上から目線でうるさいと思うけど、頑張り!｣
｢は、はい!あの、忍足先輩｣
謙｢なんや?｣
｢だ、打倒立海で、頑張って、いきましょう…!｣
謙｢ハハ、そやな。自分のアニキたちなんか返り討ちにしたるっちゅーねん!幸村もこれからサポートよろしゅうな｣
｢は、はい!｣
後輩も悪うないなと思いながらいつもより軽い足で部室まで走り出した。
ラッキーアイテム
革ベルト
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ふゆう - とても面白いです！夢主ちゃんの性格がとても大好きな設定で飽きません！これからも頑張ってください (2021年8月20日 12時) (
レス) id: 06ab218753 (このIDを非表示/違反報告)
碧空(プロフ) - はじめまして、白銀水龍さん。投票にご協力いただきありがとうございます。続編少々お待ちくださいね(*´ω`*) (2019年2月25日 19時) (レス) id: d301f2b14d (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - �△任�願いします！ (2019年2月25日 12時) (レス) id: e63f949200 (このIDを非表示/違反報告)
碧空(プロフ) - コグマさん» はじめまして、コグマさん。コメントありがとうございます。誰かが読んでくれるだけで私の糧になります。これからもお付き合いいただければ幸いです。 (2019年2月20日 11時) (レス) id: d301f2b14d (このIDを非表示/違反報告)
コグマ(プロフ) - 面白い作品を作って頂き、ありがとうございます☆これからの続きも楽しみにしています！ (2019年2月20日 3時) (レス) id: 83e3623ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧空 x他1人 | 作成日時：2012年4月27日 19時
