忠告生かせず ページ42
財前くんに言われたように気をつけてはいたのだ…いたのだけれど、迷子になった。
言い訳をするならばこれから行く場所には1度も行ったことがないのだ。そんな場所に方向音痴の私が1人でたどり着ける訳もなく……
(自分に言い訳しても仕方ないのに…ふう、友香里ちゃんについてきてもらえば良かったかもしれない)
お願いすれば優しい彼女ならきっとついてきてくれただろう。しかし、甘えすぎても自分を変えることは出来ないと思い、お願いしなかった。
これから会う人たちの前には自分1人で立ちたかったからだ。
しかし、それで迷子になってたどり着けていないのだから、1人で立つ以前の問題である。
(校庭には来れたから何処かにあると思うんだけど)
蔵｢あれ、幸村さん。1人でどないしたん?友香里とおらんの珍しいなぁ｣
｢し、白石、さん｣
1人であたふたしていると白石さんが声を掛けてくれた。
｢あ、あの、友香里ちゃんは先に帰って…す、すみません。テニス部の、部室までの、道、お、教えて、いただけない…でしょうか?｣
蔵｢俺もこれから行くとこやから全然ええで。
そんなに畏まらんでもええのに、幸村さんは相変わらず謙虚で丁寧やなー｣
｢あ、いえ、その、普通だと…思います｣
結局1人では行けないと諦め白石さんに聞くことにした。廊下などですれ違う時に挨拶はするくらいの仲になったが、まだ普通に話せない。
優しくて良い人だと分かってるのに申し訳ないと思う。でも、白石さんはそんなこと気にもしないという風に接してくれた。早くその優しさに報いたい。
蔵｢でもテニス部に何の用や…って、ああ今日演劇部休みやもんな。その入部届け静に渡しに行くんか。そかそか、これから頑張りや｣
｢え、あ、はい!｣
白石さんはそう言って私の頭をポンポンと撫でた。きっと兄としての癖なのだろう。白石さんにはよく頭を撫でられる。
実は白石兄妹にそういった習慣はないのだが、幸村と真田という2人の兄がいるAにはあったので、違和感なく受け入れていた。
見る人によってはことある事に女子に触るというセクハラ紛いなことを白石が行っているように思うだろう。
また、先の会話は一見成り立っているように思う会話だが互いに違う話をしている。
日本語というのは雰囲気などで会話が成立してしまう故にすれ違いがあってもすぐには気づかないのだ。まあ、この後すぐにこのすれ違いは解決するのだから別に問題はないのだが。
白石さんに連れられてテニス部部室に向かった。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふゆう - とても面白いです！夢主ちゃんの性格がとても大好きな設定で飽きません！これからも頑張ってください (2021年8月20日 12時) (
レス) id: 06ab218753 (このIDを非表示/違反報告)
碧空(プロフ) - はじめまして、白銀水龍さん。投票にご協力いただきありがとうございます。続編少々お待ちくださいね(*´ω`*) (2019年2月25日 19時) (レス) id: d301f2b14d (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - �△任�願いします！ (2019年2月25日 12時) (レス) id: e63f949200 (このIDを非表示/違反報告)
碧空(プロフ) - コグマさん» はじめまして、コグマさん。コメントありがとうございます。誰かが読んでくれるだけで私の糧になります。これからもお付き合いいただければ幸いです。 (2019年2月20日 11時) (レス) id: d301f2b14d (このIDを非表示/違反報告)
コグマ(プロフ) - 面白い作品を作って頂き、ありがとうございます☆これからの続きも楽しみにしています！ (2019年2月20日 3時) (レス) id: 83e3623ab0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧空 x他1人 | 作成日時：2012年4月27日 19時
