ゼフィランサス短編(ym × in )

怪我の功名？ ページ3

side ym

「ちょっとお二人さん、俺のこと忘れてない？」

「あー、忘れてた(笑)」

『光、居たんだ。』

「居たんだじゃねーよ。俺が散々呼び掛けても目を覚まさなかったくせに、山田くんのイヤらしいイケボだとすぐに起きるってどんだけだよ(笑)」

『ふふ(笑)ごめんね光。』

その後先生が来て怪我の具合を説明された。

「頭は打ち付けた時に脳震盪を起こしただけなので問題ないと思います。ですが、右手の手首を骨折してしまっています。頭を庇った時に折れてしまったと考えられます。後はかすり傷程度ですので大丈夫ですよ。ただ頭を打ってるので念のため、数日は入院になります。」

「慧、良かったね。」

『良くないかも…だって仕事…。車の運転出来ないよ？』

「あ…。」

1週間後には退院したけど、慧は全治1ヶ月。薮と相談した結果、仕事は治るまで内勤になった。だから9:00〜18:00までで、毎日ピッタリに終わって帰ってくることが出来る。

退院の日、家に帰ると光君が来ていた。二人でご飯を食べている。慧の右手にはギプスがついていて痛々しい。

「光君、来てくれてたの？」

「お邪魔してます。いのおちゃん右手が一切使えないから家事出来ないでしょ？それにご飯食べるのも一苦労だからさ。3日分の食事のストックも作っておいたから、良かったら山田くんも食べてね。」

そう言って隣に座ってる慧にご飯を食べさせてあげてる。

「はい、いのおちゃん、あーん。」

『あーん。美味しい♪もっと頂戴♪』

何…このイチャイチャ。もちろん光君にそんな気が無いのは百も承知だけど…。慧、甘えすぎ。

その後洗い物をして風呂まで沸かしてくれた。

じゃあ後は山田くんよろしくねー。そう言って帰って行った。

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