ゼフィランサス(ym × in )

♪47 ページ47

side ym

どうしてもこのまま会えなくなるのが嫌で、断られるの覚悟で空き時間にご飯に誘ったらまさかのOKで思わず舞い上がる。

雑誌の撮影が終わって、その後取材を2件やった。いのおちゃんに見られてると思うと自然と気合いが入る。

やる気満々で挑んだ結果、予定より早く夕方には終わった。

いのおちゃんの運転する車に乗る。

「どこに行けばいいですか？」

「お店、どうしようかと思ったんだけど今日土曜日で混んでそうだし、俺んちでもいい？」

久しぶりなのに、いきなり家っていうのもどうかと思うけど、できればゆっくり話したいし…。

『いや、あの…部屋に入ってはいけないので…。』

やっぱり断ってくるよな。さすがガードが固い。どうしよう…。

あっ！確か、いのおちゃんって煮魚好きだったな。

「何回も入ってるくせに今更何言ってんの？昨日知り合いから金目鯛もらってさ、使っちゃわないと勿体ないし。煮付けにでもしようかなって。」

『金目鯛の煮付けですか！？』

ダサメガネの奥の瞳が輝く。

「決まりね(笑)美味しいご飯作ってあげる。」

『は、はい…。』

金目鯛もらった時は一人暮らしだしいらねーよって思ったけど、今となってはめちゃくちゃ感謝してる。釣り好きの友達、ありがとう！

久し振りのいのおちゃんとの会話にテンションが上がりっぱなしの俺。

♪48→←♪46

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す