ゼフィランサス(ym × in )

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久し振りに涼介君の姿を見て心臓がギュッとなって動けなくなった。

全然忘れられてないじゃん…。

──────

数日後、いつもの様に中島君を迎えに行くために家を出ようとすると薮さんから電話がかかってきた。

「伊野尾、悪いんだけど今日、他の現場に行ってもらいたいんだよね。中島の方は他の奴にお願いしてあるから。」

『えっ？』

「俺、急遽行けなくなったからさ、雑誌の撮影と取材があるから今からすぐ○○スタジオに行って。詳しい時間とかはメール入れておくから。終わったら今日はそのまま帰っていいから。」

『あっ、はい。分かりました。誰の撮影ですk…』

「時間無いから切るわ。じゃっ、よろしく。」

(ﾌﾟｰﾌﾟｰﾌﾟｰﾌﾟｰ)…切れちゃった。

とりあえず現場に向かった。中に入り挨拶をしながらスタジオを見渡す。

『涼介君…！？』

「いのおちゃん…。何やってんの？」

『あの…薮さんが急遽来れなくなってしまったみたいで、変わりを…頼まれました…。』

「そうなんだ…。」

うっ…。気まずい…。

《山田さんメイク入りまーす。》

そのまま撮影が始まった。スーツを着崩している様な衣装で次々ポーズを決めていく。カッコいい。思わず見惚れてしまう。やっぱり好きだなぁ…。

《セットチェンジになるので30分後に再開します。控え室でお待ち下さい。》

控え室には誰も居ないから二人きり…。

『何か飲みますか？』

「ああ、じゃあコーヒー…。」

『どうぞ。』

「ありがとう。いのおちゃんにコーヒー淹れてもらうの久し振り。」

『そう…ですね…。』

「美味しい。───あのさ、今日この後仕事入ってないんだけど、ご飯でも行かない？」

『えっ！？』

どうする俺！急な涼介君の発言に思考がついていかない。

行ったところで何も生まれない。また勝手に傷つくだけ…。断らないと…。

『行きます…。』

ちょっと待って、何OKしてんの！？俺！

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