ゼフィランサス(ym × in )

♪27 ページ27

side in

ステージから戻ってきた涼介君は先程とは打って変わってすごく辛そうだった。息も荒いしフラフラしている。ちょっとヤバイかも。

薮さんに電話で相談する。

「分かった。そしたらラストは出ないでこのまま病院に行って診てもらって。この時期だしインフルエンザだったら大変だから。番組の上には俺から言っておくから。」

『分かりました。また後で報告します。』

涼介君に伝えて病院に連れていく。タクシーに乗ると、辛いのか俺に寄りかかっている。

祝日だし、もう21:00も過ぎているので救急外来で診てもらう。

ふらついているから一緒に診察室に入った。一通り診てもらって結果を待つ。

「扁桃腺炎ですね。相当喉が痛かったと思いますが…よく歌えましたね。熱が40℃あるので、インフルエンザの検査も念のため行いましたがそちらは陰性でしたので安心して下さい。」

40℃…。

「かなり疲労も溜まってるみたいですね。今、山田さんには点滴を打っていますのであと30分程お待ちください。飲み薬も出しますので、そちらもきちんと飲んで下さいね。」

『ありがとうございました。』

点滴を終えた涼介君を支えて、またタクシーに乗る。薮さんにはメールで報告した。

『涼介君、家に着いたよ。鍵ある？』

朦朧とした中で鍵を渡してきた。ドアを開けて入ると涼介君は玄関に座り込んでしまった。

『涼介君大丈夫？事務所の決まりでマネージャーはタレントさんの部屋の中には入っちゃいけないから…。ちゃんと暖かくして寝るんだよ？お薬も飲んでね。』

「…ﾊｧ…ﾊｧ…帰っちゃうの？」

『うん…決まりだから…ごめんね。誰か友達とかn…』

下から腕を掴まれグッと引っ張られた。

「…ﾊｧ…帰らないで…ﾊｧ…ﾊｧ…お願い…。」

♪28→←♪26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す