ゼフィランサス(ym × in )

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今日は12月23日。年末恒例、音楽番組の特番がある。しかも4時間半の生放送。

『おはようございます。』

「…おはよう。」

あれ…。元気ない？

『今日の生放送頑張って下さいね！』

「おう！スーパーアイドル山田涼介ナメんなよ。」

いつも通りだ。気のせいだったかな。

生放送の為、綿密なリハーサルが行われ、あと30分で本番が始まる。出演アーティストの数が多く大部屋が控え室になっている。

涼介君に水を頼まれて持っていく。渡そうとした時に手が触れた。え？すごく熱い…もしかして。

『ちょっと失礼します。』

「何してんだよ。触んな。」

涼介君の首に手を当てると案の定すごく熱い。

『いつからですか？』

「何が？」

『誤魔化してもダメです。熱、いつからあるんですか？』

「・・・昨日の夜から寒気がして、今日の朝には熱かった…。」

『なんで言ってくれないんですか？』

思わず声が大きくなる。そうだ、ここ大勢いる控え室だった。

「大丈夫だよ。こんな風邪、今日帰って寝れば治るから。」

『でも…。』

「本当に大丈夫だから。」

そう押しきられてしまって、そのまま本番になった。

ステージ上の涼介君は本当に王子様。ひときわ黄色い歓声が上がる。カッコイイな…。
一切、辛い表情も見せず、息も上がらずに完璧にこなした。

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