轟讐のプロムナード ページ14
side.Todoroki
ヒーロー科の最高峰たる雄英では、卒業式の日にプロムナード─プロムが開催される。
それは、ヒーロー科、サポート科、経営科、普通科の生徒の別なく自由に参加できる、体育祭、文化祭に続くお祭り騒ぎ。特にヒーロー科の人間にとっては、プロヒーローとしてのファーストステージになる。
そういうわけで、今日も1-Aの野郎どもは必死こいてパートナー探しをしている。理由は、例えクラスの女子が全員同じクラスのやつと組んだって、どうしてもあぶれる連中が出てくるから。女子の数が圧倒的に少ないから、仕方ねぇことだ。
もっとも、初めから相手が決まっている俺には、大して関係がねぇ話だが。
「余裕だな轟ィ……！」
「まぁな」
俺には、Aがいる。そう言えば、彼女の最愛─悔しいけれど、まだ俺では届かない─たる峰田はぐいっと眉を上げて怪訝な顔をした。
「轟、お前Aを誘ったのか？」
「いや……でも、わかるだろ。俺があいつ以外と踊るはずがねぇ」
「……A、愛想尽かされたーって落ち込んでたぞ」
「……は？」
そんなバカな。日々彼女への恋慕を募らせている俺が、愛想を尽かす？なんの冗談だ、笑えねえ。頬杖をやめて見つめると、峰田はわざとらしくため息をついた。
「…いつもはうざいくらい愛の言葉が出てくるくせに、大事なとこで抜けてるよな、轟は。Aの性格上、いつまでも恋人に誘われなかったら、飽きられたって思うに決まってんだろ？」
「……っ、Aはどこだ！？」
「知ってても教えてやるか、自分で探せ！」
やれやれと首を竦めた峰田を押し退け、廊下に飛び出す。どこだ、どこにいるA……！──ああ、もしかして……あそこか！
駆け出した先にあるのは空中庭園。八重咲きの梅が見頃だと笑う恋人を思い出して、半ば転がるようにして方向を変えた。
…いた！ベンチで俯く華奢な背を見つけ、走る勢いそのままにきつく抱き締める。
「…Aっ」
「ひいっ……あ、焦凍君……」
怯えの滲んだ星色の瞳。ごめんな、俺の言葉が少なかったから余計な心配、させちまった。
「A、」
正面で片膝をつき、細かい傷が残る白魚の手を握りしめる。ゆらゆら揺れる瞳が不安げに翳るのは、俺のせいだ。
……本当に、すまねえ。さっさと言えばよかったな、たった一言“俺と踊ってくれ”って言えば、お前は泣かずに済んだのに。
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日陰 - この作品のコメント欄の人達可愛い……あまり二次創作は好きじゃ無くてギャグにも興味無かったけど暇潰しで見たら好きになりました……… 追伸 緑讐可愛すぎか… (2018年10月10日 14時) (
レス) id: 03ab5a0e13 (このIDを非表示/違反報告)
暁ステラ - 四方津さん» 突然すみません。洸讐か物讐か上讐か鉄讐をお願いします…！多くてすみません。(2回目) (2018年5月26日 19時) (レス) id: 7a37a058f5 (このIDを非表示/違反報告)
響 - 環讐が良すぎるです← (2018年5月25日 21時) (レス) id: d68b519933 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠不足(プロフ) - 環讐がっ……環讐が尊い……！！ (2018年5月23日 3時) (レス) id: 58c227735d (このIDを非表示/違反報告)
宮垣 - てつ讐を楽しみに読み始めたはずが、気づいたら環讐沼にはまっていた…どっちも捨てがたい! (2018年5月19日 14時) (レス) id: e5668725a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四方津 | 作成日時：2018年1月23日 13時
