轟讐の結婚式（仮） ページ12
side.Todoroki
気づいたら、どうしようもなく焦がれていた。
俺は、復讐を果たさなきゃならねぇのに。お母さんの力だけでプロになって、親父を見返してやらなきゃならねぇのに。
気づいたら、骨の髄までAに惚れ抜いていた。
「轟君、そろそろいいかしら」
日誌、書き終わっているのでしょう？
浅ましい俺の心を見透かしたように、星の瞳が弧を描く。
ああそうだ。どうせ、寮に帰ったらお前は峰田を構いにいくんだろう。
ならゆっくり、時間を掛けて日直の仕事を終わらせれば、相方のお前は俺を待つしかない。先に帰る、なんてほんの少しも頭をよぎらない、律儀なお前のことだから。
「なぁ、讐井」
用済みになった日誌を閉じて、窓際で黄昏れるAを背後から抱きしめた。存外薄い肩が跳ねると同時に振り向いた顔は、美味そうな桃色に色づいている。
「ど、うしたの、轟君」
「違う」
焦凍、だろ。うっかりものな唇に出来るだけ優しく吸い付けば、くぐもった悲鳴が口のなかに反響した。
「しょ、焦凍君、なに、なんなの」
「別に、何でもねえよ」
いつもと何も変わらない。俺が勝手に、お前と峰田の深い絆に嫉妬してるだけだ。Aの身体のなかで一等特別な唇を何度も貪って、ここは俺だけが許されたのだと確認して、漸く鎮火する嫉妬心。
知ったら、お前はどんな顔をするのだろう。呆れるだろうか、嘲るだろうか、それとも。……喜んで、くれるだろうか。
「んぅ、ねぇ、見て、焦凍君」
夕陽が金色に見えるわ……とても綺麗ね。口づけの合間に告げられた世間話みたいな言葉。横目で窓の外を見れば、確かに繊細な金の光が降り注いでいる。…まるで、彼女の瞳を解かしたようないろ。
あの色がいけなかったんだ、愛しい恋人と同じ色が、俺を包んでいたから。だから、突拍子もないことを言ってしまったのかもしれない。
「……A」
「ええ、焦凍君」
「……いつかお前も、“轟”になってくれるか？」
赤い頬がさらに紅潮する。…ああ、やっちまった。これは、卒業までとっておくはずだったのに。拒絶されるだろうか、重いって思われねえか。……プロポーズって、こんなに怖えんだな。
轟讐の結婚式（仮） 2→←彼女に猫の耳と尻尾が生えた！ver.敵
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日陰 - この作品のコメント欄の人達可愛い……あまり二次創作は好きじゃ無くてギャグにも興味無かったけど暇潰しで見たら好きになりました……… 追伸 緑讐可愛すぎか… (2018年10月10日 14時) (
レス) id: 03ab5a0e13 (このIDを非表示/違反報告)
暁ステラ - 四方津さん» 突然すみません。洸讐か物讐か上讐か鉄讐をお願いします…！多くてすみません。(2回目) (2018年5月26日 19時) (レス) id: 7a37a058f5 (このIDを非表示/違反報告)
響 - 環讐が良すぎるです← (2018年5月25日 21時) (レス) id: d68b519933 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠不足(プロフ) - 環讐がっ……環讐が尊い……！！ (2018年5月23日 3時) (レス) id: 58c227735d (このIDを非表示/違反報告)
宮垣 - てつ讐を楽しみに読み始めたはずが、気づいたら環讐沼にはまっていた…どっちも捨てがたい! (2018年5月19日 14時) (レス) id: e5668725a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四方津 | 作成日時：2018年1月23日 13時
