【ハイキュー】涙の跡に気づいてよ【岩泉一】

涙の跡…14 ページ14

岩泉「そこ、開けとくと寒いから中入れよ」









貴方「あ、す、すいません！」









岩泉先輩の投げやりな言葉に




咄嗟に動いた口は、なぜか謝罪の言葉を言い放った









及川「あ、ごめーん！はい、じゃあAちゃん中入って〜」









全ては後ろに立っている




この、及川先輩が全開にしているのに









貴方「…え、え」









そんな及川先輩は







なぜか私のことを後ろから押して部室に入ってくる









いや、扉閉めたいのはわかるんだけど









貴方「まだ…先輩着替え終わってない、ですけど」









グイグイ押されて半ば無理矢理部室に引き込まれる









及川先輩の手が背中から消えたと思ったら









ただ開けっ放しの扉を閉めに行っただけだった









及川「外で待ってた方が良かった？」









くるりと体をこちらに向けてから







及川先輩はなんとも爆弾発言のような言葉を私に投げかけた









貴方「え、いや」









こっちからしたら






逆に私いていいんですかって感じデスヨ








外で待ってるのは寒いし








どうせ私も此処で着替えることになるんだし









先輩がいるから入って来ちゃ駄目とかいうのが嫌いなのも知ってる









いわゆる先輩の特権ってやつ？









全て私のために言ってくれてるのもわかるけど









貴方「私、いて大丈夫ですか…？」









岩泉先輩のことが直視できずに









ちらちら床と岩泉先輩のことを交互に見る









一瞬見えた岩泉先輩の顔は








少し驚きの表情をしていた









だけど









床を見て、もう一度岩泉先輩を見ると









何か安心したような









お母さんのような顔をしていた









岩泉「俺は、全然大丈夫だけど？」









Aは大丈夫か？と付け足して







フッとほんのり笑顔で私に問いかける









貴方「…ずるいですよ」









誰にも聞こえない声で呟いた









ハテナを浮かべてる先輩に向かって









私は大きく頷いた









貴方「私も大丈夫です！」

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