麗日のこと ページ8
これは私が轟と話をした数十分後の出来事だ。
今日は遅くなると相澤さんが言っていたため、帰路の途中にあるスーパーによった。
いわゆる、晩御飯の買い出しだ。
そこで私は遭遇してしまった、麗日に。
「あっ！雲雀さん
雲雀さんも買い出し？」
彼女は、初めてあったときと同じような麗かな笑顔を見せて近づいてくる。
訓練中だったとはいえ、私は彼女の質問を思いっきり無視していたため、
顔を合わせるのは、多少の気まずさがある。
そんな気まずさなど無いように、麗日は私に話しかけてきた。
「雲雀さん、もしかして一人暮らしなん？
実は私も一人暮らしなんだ！
ご飯用意するの大変だよね〜」
麗日はいつも大変な思いをしながらご飯を用意しているらしい。
だから興味本意でかごの中を覗いてみると、そこには調味料とおもちが入っていた。
おもち...？
「麗日 食料がおもちしか入っていないのは何でなの
そんなんじゃ栄養が偏る」
いや〜、それはですね、と麗日は言い訳じみたことを言い始める。
なんでもおもちは、沢山入っていて安いからという理由で買いだめしているそう。
それは別にいいけれど、彼女は家でおもちしか食べていない可能性がある。
「買いだめしているのは別にいいんじゃない
ただ、ちゃんと他のものも食べてるのって話だから」
これは心配というのだろうか。
まあ、彼女は相澤さんの生徒だし。
多少気にかけてしまうのは仕方がない。
「ま、まあちゃんと食べてるよ
たまに...」
最後に"たまに"とつけている時点で、あまり食べていないんだろう。
そこを突っ込もうとすると、麗日は露骨に話を反らす。
「ひ、雲雀さんはどうしてＡ組にいるの」
訓練の時に聞けなかったから、と麗日は付け加えた。
嘘をつくのは得策じゃないと思うし、適当に隠しながら答える。
「私は相澤さんとこでお世話になってるから
理由はあまり話したくない
それで相澤さんが私の能力なら雄英で学べば良いと言ってくれたから
麗日は私の話を聞いて、顔を歪める。
大方、“理由”を変な風に捕らえてしまったんだろう。
麗日は私の手をとって真面目な表情でこう言った。
「大変やったんやね
私で良ければ力になるから！頼って！同級生なんだし！」
ただの同級生でしかない私のことを、ここまで気にかけてくれる彼女は、
ボロボロ少年と同様、ヒーローに向いているんだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴蘭(プロフ) - フユキさん» 大丈夫です！普通にかっこいいですし、謝るほどでもないですよ。描いてくださっただけで嬉しいです。 (2018年8月23日 23時) (
レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - 鈴蘭さん» 完全に戦闘シーン描きたくてかけなかったやつです…あとpixivスケッチというやつで描いたので解像度すごく低いです。すいません！ (2018年8月23日 22時) (レス) id: e79ac6a0b2 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - フユキさん» うわぁ、ありがとうございます！イメ画なんてもらったの初めてで、とても嬉しいです。本当にありがとうございます！！ (2018年8月23日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - イメ画勝手に描いてしまいました…。良かったらどうぞ。イメージと違ったらすみません。 (2018年8月23日 22時) (レス) id: e79ac6a0b2 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/a/5/a/a5af04a97252e4243ddecd53cdadb1c8.jpeg (2018年8月23日 22時) (レス) id: e79ac6a0b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年8月12日 11時
