転生199 ページ9
達成条件を推測していると、かっちゃんが歩き出した。
「かっちゃん!!」
名前を呼ぶと、振り向いてまた前を向く。反応薄いなぁ、わかってたけど。
切島くんと上鳴くんもいる。
「おぉ星屋！お前も俺らと行動するんだな！」
素敵な笑顔でそう言ってくれる切島くんはいい人だ。
上鳴くんも「頑張ろうぜ」と声をかけてくれる。
その言葉に「おぉー」と言っていると、崖の下に人がいた。
「腕を怪我したの！」
「助けてくれ！痛い！」
叫びながら私達に救助を求めている。でも、怪我は軽そうだ。
無視はよくないけど、どうやって答えよう？
とか思ってると、かっちゃんが怒鳴り返す。
「うるせえ!!自分で助かれや!!」
いや、言い方考えようよ。
切島くんと上鳴くんは「はああァ!!?」と声をあげ、かっちゃんに意見する。
「自己流貫きすぎだろ！」
「すげえ大怪我してるかもしんねえだろ!!」
上鳴くんの言葉は、とても共感できる。「大丈夫」とか言ってあげれないのかな？
下の方では、かっちゃんの言葉を都合よく解釈している声が聞こえてくる。
まぁ、言い方で減点されてはいるけど。
「安全な場所まで案内しようぜ」
切島くんがそう言って下に降りていく。私もそれについて降りる。
「星屋も来てくれたのか！」
私に気付いて声をかけてくれる切島くんに軽く頷いて、
「安心してください 今から安全なところに案内します
その前に、怪我を見せていただいても？」
私がそう言うと、二人とも腕を見せてきた。この程度ならたぶん戻せるだろう。
そう判断して、私は時間操作で腕の時間を１日前に戻す。
すると、腕の怪我は綺麗に消えてなくなった。
「これでもう痛くないですよね
それじゃあ行きましょうか」
私が歩きだすと、切島くんに呼び止められる。
「星屋！上まで運ぼうぜ」
本当は自力で登ってもらいたかったけど、しょうがないか。
切島くんに従っておこう。
私は足の筋力を軽くした状態で、おばさんの方を抱き上げる。
「少し揺れますけど、怪我無いんで大丈夫ですよね」
一応、揺れることを伝えてから私はジャンプする。
そのまま登って、地面におばさんを下ろす。
少し遅れて切島くんもおじさんをつれて登ってきた。
「あとは俺が案内しとくな！」
爽やかな笑顔と共に言われたその言葉に頷いて、私はかっちゃんたちの方に行く。
さぁ、これからどうしようか。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
