転生231 ページ42
父さんと話していると、廃倉庫のドアが勢いよく開いた。
「安心しろ 中の奴らはとっくに病気だ」
そんなことを言いながらトゥワイスさんが入ってきた。
...失礼な人だ。
その時、死柄木さんが「......とんだ大物連れてきたな...トゥワイス」と言ったのが聞こえた。
死柄木さんがそんなことを言う人物...
どんな人なんだろう？
視線を動かして顔を確認して、絶句する。
オーバーホールさん、だ。死穢八斎會の若頭。
最近、裏でコソコソやっていたので、記憶に新しい。
確か、“個性を使えなくなる”アイテムを作ろうとしていたはず...。
完成しているかはわからないけど、死柄木さんに伝えておいた方がいいんだろうか。
私がそんな考察を頭の中で組み立てていると、オーバーホールさんが宣言をする。
「俺の傘下に入れ おまえたちを使ってみせよう
そして俺が次の支配者になる」
やっぱりこの人、仲間になる気皆無だよね。
「帰れ」
死柄木さんはそう言い、マグネさんは武器をとりだし攻撃を仕掛ける。
「何にも縛られずに生きたくてここにいる
私たちの居場所は私たちが決めるわ!!」
マグネさんの言葉には理解できるものがある。
でも、そのまま殴りかかるのは...
「マグネさんッ その人に触れられたらダメです!!!」
叫んだけれど、もう遅かった。
マグネさんの体は、弾けて、消えた。
「マグ姉ー!!!?」
オーバーホールさんは、マグネさんの血を「汚い」と言いながら、ゴシゴシ擦っている。
そこに、ミスターが飛び出した。
死柄木さんが制止の声をかけるが、間に合わない。
ミスターの個性なら、対応できるかもしれないけど...
私はその時、細い針のようなものが飛んでいくのが見えた。
あれは、まさか...!
とっさに時間を止めて、ダッシュで針を回収する。
しかし、ちょうど掴む一歩手前で、時間が動きだし、ミスターの肩口に刺さる。
私は勢いあまり、地面に転がってしまった。
ミスターは個性が発動できず、そのままオーバーホールさんに触れてしまう。
触れられたら瞬間に、オーバーホールさんの体に蕁麻疹ができる。
そして「触るな」と一言呟くと、ミスターも消そうとした。
だけれどそこは、父さんがとっさにミスターの腕を引いたため、被害は左腕だけだった。
それでも、相当な痛みが走るようで、ミスターはその場にしゃがみこむ。
これは応戦してもいいですよね、死柄木さん...
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
