転生220 ページ31
玄関まで行くと、B組の人達がいた。
「聞いたよ＿＿＿A組ィィ！」
物間くんが二本指をたて、凄い形相でこちらを見てくる。
...なんなんだ、あの人。
「二名!! そちら仮免落ちが二名も出たんだってええ!!?」
めんどくさそうだから、無視して進もうよ。
そう言いたい気持ちを堪えながら物間くんの声を聞いていた。
切島くんが「オメーだけ落ちたな」と言うと、狂ったように笑い、スッとクラスの輪に戻る。
ホントになんなんだ、物間くんは。
「こちとら全員合格 水があいたねA組」
その言葉に、轟くんが傷ついているように見えた。
「.........悪ィ...みんな...」
轟くんは悪くないのに、謝っている。
透ちゃんの前にいる轟くんにこっそり近づき、声をかける。
「気にしなくていいと思うよ 大事なのはこれからなんだからさぁ」
私の言葉をどう受け取ったかはわからないけど、轟くんは、
「そうだよな ありがとう星屋
なんかやる気でた」
なんかやる気が出たそうだ。
もとの位置に戻ると、後ろから「後ろ詰まってんだけど」という声が聞こえた。
振り向くと、体育祭の時よりも筋肉がついている心操くんがいる。
「心操くん、久しぶり」
声をかけに行くと、久しぶりだな、と返ってきた。
心操くんは、夏休み前に話したきり、話せていなかったから普通に返してくれて嬉しい。
言っていなかったけど、心操くんとは体育祭以来、そこそこ仲のいい友人になっている。
名前も、呼び捨てになったしね。 きっとこれは、友達ランクが昇格したってことなんだよ。
「星屋、お前のことは認めてるが...
かっこ悪ィとこ見せてくれるなよ」
若干呆れたような、そんな感じに言われた。
認められてるのは嬉しいけど、カッコ悪いとこ見せるなって...
私は、そんな姿を見せているつもりはないし。
「カッコ悪いとこなんて見せてないよ...
まぁ、善処するけどさ」
そう言うと、フッと笑われる。
コソッといった「言い訳とか...」って言葉を、みんな覚えておいてほしい。
心操くんはこういう人なのだ。...でも、いい人なんだよ。
校庭に全校生徒がズラッと並ぶ。
うわぁ、凄い光景。人多い。
そんな感想を持ちながら、ボケーっと前を見ていると、校長先生の話が始まった。
私の耳にはあまり流れてこないんだけどね。
最初の「小型ほ乳類の校長さ！」しか聞いていない。
途中で、校長先生の声色が変わる瞬間があったんだけど、ボーッとしすぎて聞き逃した。
...後で百ちゃんに聞こう。
多分、要約して教えてくれると思うから。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
