転生219 ページ30
私は寮の自分の部屋に戻ると仮免許証を机の上に出す。
やっぱり、違う。
この証明写真は私のじゃない。
軽く調べてみるけど、おかしいところはない。
おかしいなぁ。顔バレしないけど、怪しまれそう。
いずに見せてもらった顔写真は学生証のものと一緒だった。
恐らく、みんなの証明書もそうなっているだろう。
学生証の証明写真はちゃんと私が写っている。だから、普通にいけばその写真が入るはずなんだけど
いったい何があったんだろう？
分からないことがあるのって、気持ち悪い。
今日は徹夜で調べないとダメだなぁ。...頑張るぞ。
翌朝
私が徹夜をしてわかったことは２つだ。
・あの写真は実在する人物ではなく、加工アプリで作られた空想の証明写真だということ
・このデータを紛れ込ませた人物は恐らく私の父さんだということ
父さんがこれを紛れ込ませた理由はわからないけど、大方調べることができてよかった。
スッキリして、伸びをしながら時計を見ると7:00になるところだった。
あ... 遅れるかもしれない。
それに気付いた私は、少し焦り始める。そこで私はあることを思い出した。
ここから学校までって、そんなに時間かからないじゃないか。
私の家からだったら遅刻だけど、ここからなら全然間に合う時間だ。
よかったぁ。私は普通に準備をして一階に下りる。
さすがに、みんなはもうおらず、掃除機を動かし続けるかっちゃんといずがいた。
私は気配を消しながら朝食を受け取り、椅子に座って食べ始めると、
いずとかっちゃんが一斉に振り返った。
「A!?」 「Aちゃん!?」
こんなところまで被るなんて、仲がいいなぁ。
そんなことを考えながらも、私は箸を進める。
「あとちょっとで始業式じゃなかったけ？
大丈夫なの？」
いずの言葉に、大丈夫というように親指をたて、私は食器を返す。
「いってきまーす」
いつものように、言いながらドアを開けると、
「い、いってらっしゃい！」
「はよ行けや」
いずの声とかっちゃんの呟きが聞こえた。
教室にいくと、整列をしているところだったのでこっそり列に加わる。
前も後ろも謹慎しているとか笑うしかないよね！
私の前は透ちゃんで、後ろは峰田くんだ。...なんか新鮮。
「星屋お前 今まで何してたんだよ？」
峰田くんに話しかけられたので振り向いて答える。
「え...？朝食を食べてただけだけど？」
微笑みながらそう答える。
すると、峰田くんは「何でこいつ態度でかいんだよ」と言いながら、そっぽを向いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
