転生215 ページ26
いずは飛ばされた勢いで、柵にぶつかった。
かっちゃんは、爆破で勢いをつけて、追い討ちをかけにいく。
でも、さすがにいずも、避けるすべは持っている。
柵をつかむと、自分の体を持ち上げ、かっちゃんの攻撃を避けた。
うん、うまい。
しかし、かっちゃんの反射神経は、いずよりも上だったようだ。
かっちゃんは柵をつかむいずの手をつかみ、そのまま横に放り投げた。
自分も柵にぶつかっていたけど、ダメージはいずの方が大きい。
かっちゃんの反射神経は凄い。見てから動いても、全然間に合う。
前よりも、確実に、動きにキレがかかっている。
それをいずはどうやって攻略していくんだろ？
気になっていいずの顔色を伺うと、笑っていた。
強い相手を前にすると、笑顔を見せる。...いずらしい。
「なに笑ってんだあ!?
サンドバッグにゃならねんじゃねえのかよ！」
かっちゃんは笑われたことが気にさわったらしく、凄い勢いで突っ込む。
わぁ、なんて単純な攻撃なんだろう。...速いけど。
「ならない！」
サンドバッグにはならない、いずはその為の考えがあるんだろうか？
かっちゃんも、いずの作戦には警戒をしているようだ。
「どうせまた何か企んでんな！」
そして、フラッシュを放つ。技名は...
あの技は、けっこう使い勝手がよさそうだ。
目眩ましになるような技は、使いやすいと私は思う。
「そういうのが気色悪かったんだ！」
いずの視界を遮り、接近するとそのまま殴り飛ばす。
「なに考えてるかわからねえ！」
爆破音が辺りに響き渡った。
この音で気付かれたりとかしないのかな？そんな心配を抱えながら、私は戦いを見続ける。
「どんだけぶっ叩いても張りついて来やがって！
何もねえ野郎だったくせに！俯瞰したような目で!!
見てきやがって！ まるで全部見下ろしているような
本気で俺を追い抜いていくつもりのその態度が
目障りなんだよ!!!」
かっちゃんが、いずに抱いていた想い。
こういう想いをぶつける戦いは見ていておもしろい。
見られている側は、私のことなんて忘れて、相手のことだけを見ていると思うけど。
いずは、かっちゃんの言葉に何を思ったんだろう？
「そりゃ普通は...バカにされ続けたら関わりたくなくなると思うよ......
でも 今言ってたように何もなかったからこそ...
嫌なところと同じくらい 君の凄さが鮮烈だったんだよ」
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
