転生207 ページ18
「気配消す訓練ってどんなことされてるんですか!!?」
ノートを手に、メモをする準備万端で士傑の人に質問をしていた。
聞きたいことがあったのなら、私の声が聞こえていなくてもしょうがない。
いずは、一直線だから。 でも、気配を消す訓練って士傑の授業にあったけ？
士傑の毛原さんも心当たりがないようで、首をかしげる。
「.........？そんな訓練 していないが............」
今度はいずが首をかしげる番だ。
「？ でも あの唇プルっとした人が...」
あぁ、それトガさんだ。トガさんは気配を消すのがうまいから、いずも気になったんだろう。
でもトガさんのことだから、毛原さんには分からない。
「それに あの人もっと話したそうにしていたのでお話しできればと思ったんですけど...どこへ...」
トガさんが話したそうにしていたのか？それは、珍しい気がする。
トガさんはおしゃべりをする方だけど、嫌いな人とは絶対話さない。
もしかして、いずのこと気に入ってるとか？
今回潜入してたのも、死柄木さんの指示じゃなさそうだし...
トガさんのことを考えていると、いずと毛原さんの話は終わったようで、いずが歩いてきた。
「あれ？Aちゃん どうしたの？」
私に気がついたいずが話しかけてくる。今は、トガさんのことを考えてる場合じゃないかな。
私はいずにもバスにもう乗れることを伝え、歩き出す。
いきなり「バス乗れるって」と言われていずは混乱しているようで、立ち止まっている。
ケミィさんに変身していたトガさんについて考えているんだと思うけど
早くしないと相澤先生に怒られる。
それはめんどくさいので、いずの腕をつかむと、足の筋力を減らして走る。
筋力を減らすと、いずを引っ張れないと思うでしょ？
でも、そんなことはない。何故かって？私の力はそんなに弱くないからだよ！
いずは引きずられながら、ケミィさん(トガさん)についての考察を続けている。
自分の力で走りませんか、出久さん。そう言いたい気持ちを押し殺して走る。
バスの前につくと、相澤先生が立っていた。
「緑谷なんでお前は引きずられてるんだ？
いや...それはいい 早くバスに乗れ 時間の無駄だ」
怒られないために走ったのに、結局怒られた。
それもこれもいずのせいだ。ジトーっといずに視線を向ける。
「ご、ごめんね 僕が士傑の人と話しかけてたから遅れたんだよね...
Aちゃんにも迷惑かけてごめん」
視線に気付いて謝るいず。いい人だなぁ
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
