転生202 ページ13
さっき切島くんがしていたように、安全な場所まで案内する。
ヒーローはこんなこともしないといけないのか...
......めんどくさ。
ヒーローらしからぬそんな考えを抱えながらかっちゃん達の後ろを歩く。
いっそのこと、かっちゃんみたいに怒鳴り散らせたら楽なのかなぁ？
いや、あれは無理。楽かどうかはさておき、あんな風にはなっちゃダメだ。
かっちゃんは相変わらず、そこら辺の人達にイライラしている。
あの顔のせいで減点されていることの気づいていないんだろう。
そんなことを考えながら、切島くんと上鳴くんが救助するのを手伝う。
かっちゃんも、一応手伝っているけど...
顔が不機嫌そうで怖い。
私が一般市民で、テロに巻き込まれたとき、あんな顔の人には救助されたくない。
救助を完了させて、移動しようとするとビーッという音とアともにナウンスが入った。
『えー 只今をもちまして配置された全ての
まことに勝手ではございますがこれにて仮免試験全工程 終了となります!!!』
目良さんの嬉しそうな声が、スピーカ越しに聞こえる。
終わるのそんなに嬉しいのか？ まぁ、私も嬉しいんだけど。
『集計の後 この場で合否の発表を行います
怪我をされた方は医務室へ...他の方々は着替えて しばし待機でお願いします』
下手な失敗はしてないから受かってるだろう。
希望を胸に私は着替えをする為に更衣室へ向かった。
着替えが終わり待機していると、轟くんを見つけた。
さっきからA組の人がいなかったから、なんか安心した。ちょっと近付いてみよう。
「轟くん どうだった？」
背後から話しかけると、轟くんは驚いたようで少し後ずさった。
そんなに驚くとは思わなかった...。ごめんよ、轟くん。
心の中で謝っていると、轟くんが口を開く。
「さっきの試験のことだよな...
俺は...ダメだったかもしれねぇ」
上を見ていた轟くんからは想像できない弱気な言葉。
ダメだった心当たりでもあるんだろうか？
少し気になり、聞いてみると「まぁな」と苦笑いを返される。
私はほとんどずっと、かっちゃんとかと一緒にいたから轟くんが何をしたのかは分からない。
でも、やらかしてしまったんだなぁっていうのはわかった。
まぁ、ここで取れなくても取る機会はあるんだけど、遅れてしまうのはしょうがないよね。
轟くんならきっとすぐ追い付けると思う。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
