転生201 ページ12
切島くんがフックの人達を案内し終え
戻ってきたので、移動を始める。
私も救助に加わりたいけど、私の個性で援護できることは少ない。
バランスを崩さないためにも、私たちは救助されていない人を探す。
耳に神経を集中させていると、「助けて...」という小さな声が聞こえた。
「今 助けてって聞こえた
声がするところ探すから手伝ってくれないかな？」
前を歩く３人にそう声をかけた。
「アァ？ホントに聞こえたのかよ」
「本当か！それなら早い方がいいよな」
「星屋耳いいな 俺には聞こえなかったわ」
疑うのはかっちゃん、行動に移そうとするのは切島くん、私を誉めているのは上鳴くん。
反応はそれぞれ違うけど、協力はしてくれるらしい。
かっちゃんも疑ってはいるものの、ちゃんと探してくれている。
声は瓦礫の下から聞こえているみたいだ。
ちょうど、この辺りかな？
私の個性で瓦礫を消せればいいんだけど
バランスが崩れてしまって下敷きになる可能性もあるからできない。
「すいませーん！
大丈夫ですかーー？」
声をかけると、他の３人が気付いて近づいてきた。
どうしたんだ？と聞いてくる二人に静かにするように声をかけ、耳を澄ます。
「瓦礫が...上にあって...動けません...」
声の響き方からして、この下は空洞かな？
それなら消してもいいけど、一応聞いておこう。
「瓦礫の他に何があるかわかりますか？」
問いかけ、瓦礫に耳を当てる。
私の動きを見ている３人は「何してんだこいつ」みたいな目をしている。
んん、試験終わるまでは我慢しておかないと。
自分にそう言い聞かせ、耳に神経を集中させる。
「なにも......無さそうです...」
私はその言葉を聞くと、足元の瓦礫に手を乗せる。
時間は、消失するまででいけるはず。
強くイメージすると、３秒後に私の足元にあった瓦礫が消えた。
私は下に落ちながらフックの人を探す。あ、真下に瓦礫がある。
そして、その下にフックの人がいた。これは避けないとダメだよね。
そう思って、私は落ちる軌道をずらす。
地面に着地すると、フックの人の上の瓦礫を消す。この程度なら簡単でいい。
「怪我を見せてください
大丈夫です ちゃんと助けます」
そう言って微笑みかけ、怪我を治す。
「ちょっと揺れますけど、大丈夫ですからねっ」
私は言い終えないうちに足の筋力を増加させてジャンプした。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
