転生236 ページ47
ここだ!!
そう思った私は、反射的に剣を両手で挟んだ。
いわゆる白刃取りってやつだ。
そのまま時間を戻すと、ちゃんと鉄塊になり、地面に落ちる。
武器を失って戸惑うのはみんな一緒のようだったので、
その隙に思いっきり蹴り飛ばす。
筋力増加してないけれど、一応鍛えてはある。
相手は壁にぶつかり、そのまま消滅した。
...失敗しなくてよかった。
『星屋さんお疲れ まだやる？』
天喰先輩の言葉で、私の顔に笑顔が浮かぶ。
「もちろんですよ お願いします!!」
その言葉に、天喰先輩は「よくやるなぁ」と笑っていた。
結局私は、仮想
天喰先輩にはそこまで付き合わせてしまった。
...申し訳ない。
「天喰先輩、お昼御飯食べれてませんよね...
ほんとすいません」
私がペコペコ謝ると、「別にいいよ」と許してくれた。
そういえば、天喰先輩もインターンやってるんだよね...
ダメもとで聞いてみるか？
「あの、天喰先輩
インターンを天喰先輩がやっている事務所で一緒にさせてもらうことってできませんか？」
天喰先輩の様子を見ると、なにやら考え込んでいるようだ。
「聞いてみないと分からないけど、星屋さんほどの実力者なら
受け入れてもらえるかも...」
そう言って、どこかの連絡先を差し出す。
「これ、俺がインターンをさせてもらってる事務所の電話番号
俺からの紹介って言ったら、話を聞いてくれると思う」
私は天喰先輩の優しさに改めて感謝する。
...天喰先輩って、優しい人だなぁ。
「私の特訓に付き合ってもらい、事務所も紹介していただいて、
本当にありがとうございます」
頭を下げると、天喰先輩がアワアワし始める。
頭をあげて？と言われたので、彼はこういう風にお礼を言われるのが苦手なんだろう。
でも、ここまでしてもらって、なにもしないほど私は冷たい人間じゃない。
「あの、私にできることならなんでもします
だから、困ったときは頼ってください」
私はそう言ってもう一度頭を下げ、「失礼します」と言い、その場をあとにした。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
