10限目・ご指名 ページ11
柊「東条、この袋運ぶの手伝え。」
完全にアウェイなご指名に戸惑うクラス。
でも私の心は落ち着いていた。
なんで私なのかは分からない。
けど、ここは刺激しない方が得策であり、何より相手の基地は確実に美術室だ。
見ておいて損はないだろう。
そう思い立ち上がると手を掴まれ止められた。
「…??」
隼人「行かなくていい。
手、震えてんだろ。」
ねぇ、君はなんで私なんかの事気にするの?
なんで心配そうな目で私を見るの?
掴まれた手は確かに無意識のうちに震えていた。
唯月「ぶっきーひとりでも持てる量でしょ。
なんでわざわざ百合亜を連れてくの」
柊「指示が聞けないのか?
それなら別にいいんだぞ。」
これみよがしに爆弾のスイッチであろう腕時計に手を伸ばす先生。
クラスに緊張が走る。
それはさせてはいけない…!
バンッ!!
「行く!行けばいいんでしょ!!」
つい力が入ってしまい机を叩いた音と、初めて聞いたであろう私の大声にクラスメイトは驚く。
「手伝うから、爆破はさせないで。
…隼人も唯月もありがとう、私は大丈夫だから。」
そう言って前へ行き、袋を1つ持った。
(……おっも。)
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作者名:香月華月 | 作成日時:2019年1月22日 0時