【3年A組】私と君 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:17,983 hit

1限目･朝ページ2

午前8時

誰もいない、無駄に大きい家を出る。

「さっむ…。」

3月とはいえ、まだ寒さの残るこの季節

計算上、あと卒業式にだけ顔を出せば日数的にも単位的にも問題ないはずなのに

『ﾋﾟｰ、

3年A組担任の柊です。明日は卒業前の大切なお知らせがあるので必ず学校に来なさい。

…お前に来ないという選択肢はない。もし来なければ、また後悔することになるぞ。(ﾎﾞｿｯ)

明日、元気な姿が見れることを楽しみにしていますね。

ﾌﾞﾁ、ﾂｰﾂｰﾂｰ』

「…チッ」

昨日スマホに残されていた留守電。

あいつは私の何を知っているんだ。

柊一颯
半年ほど前に担任になったあの男をどうしても好きになれない。

本能が「この男は危険だ」と警鐘を鳴らし続け止まない。

「…はぁ。」

低血圧なのか、それとも別の理由なのか。
一向に学校に向かおうとしない頭にヘッドフォンを付け奮い立たせ、足を早める。

私の勘はよく当たる。

この時無意識に感じ取っていた「行くな。」のサインに気づいていれば…

いや、それを言うならもっと前に気づいていれば
あの子は…

あの子は…。

【柊「この瞬間をもって俺の授業は

…完結する。」

…先生の言う通り、学校来てよかったよ。

あと少しで、

…また後悔するところだった。】