【呪術廻戦】 呪詛師の方の五条 【男主】

喧嘩 ページ13

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『皆寄って集って口揃えて“最強”だからな』





恵まれないよな、俺もお前も。

慈悲む様に悟を見て、そう呟いた彼。
その姿は影に塗れ、よく表情は分からなかった。


『まぁでも、仕方ないよな。だってさいきょｯ』


突如、彼の姿が消えた。

前言撤回、消えたのではない。
吹き飛ばされたのだ。


凄まじい音を立てながら、虎杖達が先程まで居た川の中に突っ込んでいく。

今迄の様子を只管に見ていた虎杖は、その音で我に返った様に川と仲良しになっている彼を見る。


『なになに、兄弟喧嘩？』


喧嘩なら買うよー、とくわっと何ともないように起き上がった彼。
が、その様子には似つかわず頭からはダラダラと血が流れている。

口にも回って来た血を手で拭い、破れかけた顔の布を乱雑に取った。
先程までは浴びていなかった太陽の光を直接浴び、小さく眩し、と零す。


『呪力篭ってないパンチでも痛いもんは痛いな』


ま、態と当たったけど。
と最後に少しの煽りを入れて彼が呟いた。

彼は一言余計を擬人化した様な人間だ。
イラつかせる様な事を言うのは息をするように容易いことである。


｢…決めた｣


彼は術式無効化の術式を持っている。
だからこそ、呪力なしの攻撃は余り得意ではない。

不得意なだけで苦手ではない為、並大抵の術師でも勝てはしないが。


悟は未だに手応えを感じる右手を何度も動かしながら決心した様な口振りでコチラを見た。

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