【今日から俺は!!】狂犬の番犬 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:14,074 hit

褒められて伸びるタイプの番犬編ページ7

『相良さーん！こっち終わりましたよっ！褒めてください褒めてください～！』

粗方始末が付いたので相良さんに報告しようと駆け寄ると倒れていたやつの一人が立ち上がり近くにあったわりとしっかりした角材を手に取りそれを相良さんに向けて思い切り振り降ろした。

『おいてめぇこら相良さんに何しようとしてくれとんじゃオォン！？』

相良さんが背後からの気配に気が付き振り返った瞬間私の必殺180°キックを敵にお見舞いしてやった。

『大丈夫っスか相良さん！怪我ないですか！無いですね！よかったです！』

相良さんの全身を舐めまわすように見てみるが特に怪我などは無さそうだったので一先ずは安心、と言ったところか。

「おぉ…おめぇ案外やるな。見くびってたわ。」

相良さんに褒められて嬉しくなってしまい自分でも分かるほどに表情が緩んでしまう。私の唯一の得意技180度キックを認めて貰えたことが何より嬉しかった。

『えへへ、あの180°キック、私の唯一の得意技なんです。コツは高く飛んで長く空中に滞在することで～。』

嬉嬉として自分の得意技を語る私を見て相良さんは心底めんどくさそうに「分かった分かった」とだけ言うと私の頭をわしゃわしゃと雑に撫でた。宛らお手を出来た犬を褒めるかのように。

「な？智司ィ、こいつおもしれぇだろ？」

相良さんが智司さんにそんなことを問いかけると智司さんは地面に転がる死屍累々を跨ぎながら相良さんに近付き答えた。

「あぁ、そうだな。予想以上に喧嘩出来るみてぇだな。」

二人の会話を聞きながら私はバレないようにこっそりと微笑んだ。天下の開久のトップとNo.2が私を少しでも認めてくれたのだ。それがなんとも言えず嬉しくて私はニヤつきを抑えられなかったのだ。

『相良さんっまたなんかあったらいつでも呼んでくださいね！犬崎 A、どこにいても駆け付けますから！』

ぐっと拳を握り満面の笑みでそう言うと相良さんはふっとほんの少しだけ笑いながら「…まぁ、気が向いたら呼んでやるよ」とそう言った。