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154.短期労働中 ページ6

きらきらしい笑顔もなく、はちみつのような甘さのない声だったが、見慣れた宦官に違いなかった。
壬氏は瞬きを数回する。なんだかじっと見られて、とても落ち着かない。

「お前……誰だ?」

『よく言われます』

「化粧すると人が変わると言われないか?」

『…よく言われます』

なんだか以前も似たような会話があった気がする。
Aはゆっくりつまんだ前髪をもとに戻す。

『失礼しました』

「待て」

そう言って壬氏は手を伸ばした。

「何故そんな格好を?」

短期労働(アルバイト)中です』

「ぎ、妓楼でか!?」

驚きを隠せない壬氏にAはポリポリと頬をかいた。

『…まだ個人で客は取ってませんよ?』

「…まだ」

これからやり手婆がなにか言い出せば客が増えるかもしれない。こればかりはAにも分からなかった。

「俺が買ってやろうか?」

ご冗談を、と言いかけてふと頭になにかがよぎる。

『…いいかもしれませんね。』

「!?」

壬氏は驚愕(きょうがく)を顔にのせる。
なんだか、今日はきらきらしていないので表情が豊かである。天女の笑みは麗しいが、人間とは思えない表情なのだ。
たまに、(こん)が二つあり、ひとつの(はく)におさまっているのではないかとさえおもう。

『もう一度後宮勤めも悪くないです』

壬氏が肩をうなだれた。

「お前、あそこが嫌で出ていったんじゃないのか?」

『いつそんなことを?私は残りたかったのに、解雇(くび)にしたのは壬氏さまでしょう?猫猫もいませんし、後宮にいた頃より今の方が不満だらけです』

面倒事は多いものの、玉葉妃の侍女はかなりの好条件だ。毒見役など希少な職、なろうと思ってなれるわけじゃない。

155.宦官と妓女→←153.再会



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佐倉(プロフ) - しずくさん» ありがとうございます…!!モチベいただきました!!‬т т (2月23日 22時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 最近薬屋のひとりごとハマったのでとても更新楽しみですー!頑張ってくださいー!!! (2月19日 4時) (レス) @page17 id: 4b943a174f (このIDを非表示/違反報告)
佐倉(プロフ) - マラカスさん» 教えて下さりありがとうございます。すみません。 (12月21日 18時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
マラカス(プロフ) - オリジナル作品ついてます (12月21日 15時) (レス) @page7 id: 66680d8fcb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐倉 | 作成日時:2023年12月21日 7時

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