枕が１０個 ページ10
学校生活にも慣れてきて、最近は朝の電車も毎日寝ることもなく、寝ても少し彼女と会話をしてから降りる。
一ノ瀬は話していて楽しい。
なんだか話すペースが同じなんだよね。
うるさい電車の中の落ち着いた優しい空間。
彼女が笑うと僕も自然と頬が上がる。
今日もいつもと同じ車両に乗るためにホームを歩いていると、聞き慣れた声が耳に入った。
「ツッキー！！」
いつももっと早い電車に乗っているはずの山口がそこにいた。
なんでいるの山口。
「寝坊しちゃってさー」
「ふーん」
電車の窓から中を見て、2つ空いている席を探す山口。これじゃ今日は彼女の隣には座れないなと思った。
あそこに座ろうよ！と指を指されたのはいつもとは全然違う場所。
乗るドアすらいつもとは違う。
しかもその席はドアが空いた瞬間に取られてしまった。
「残念ツッキー、立ってよっか」
「そうだね」
何となく少し遠いところに座る彼女を見る。
背が高いってこういう時に便利だ。
彼女の隣はもう空いていない。
今彼女は下を向いて本を読んでいる。
山口が隣で何か言ってきているけど、悪いけど全然耳に入ってこない。
今日は電車が長く感じる。
ー
途中、たまたま顔を上げた彼女と目があった。
遠くに立つ僕の存在に彼女は目を見開いて驚く。
(うわっ、気まずい…)
僕はそんな彼女に目を逸らしてしまった。
別に座れないことだってあるだろうし、悪いことは何もしてないけど、彼女の隣に座るのが当たり前になっていたから、この状況が変に感じてしまう。
もう気がつけば僕の降りる駅だ。
やだな。
電車から降りた僕はそこで立ち止まる。
彼女と話せなかったのも、目を逸らしてしまったのも絶対に良くない選択だった。
「ごめん山口忘れ物した！」
「えっ、ツッキー！？！」
僕は閉まりかけたドアに滑り込むように駆け込む。
そのまま車両を移動して彼女のもとへ行った。
「一ノ瀬...」
「えっ、月島君？！」
彼女の前のつり革に掴まり、猫背になりながら彼女に話しかける。
「やっぱり君と話さないと朝って感じがしないから、もうひと駅乗っていく」
僕がそう言うと彼女は、パチパチと瞬きを繰り返して
「私も、話したかった」
って、笑ってくれた。
ちょっと照れている。
ああ、もう可愛いな。
こんなこと思う自分は、
好きなんだと思う、彼女のことが。
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レンレン - めっちゃ良かったです！ 私もあんな恋してみたい笑 (2018年1月4日 23時) (
レス) id: 85ddf4b118 (このIDを非表示/違反報告)
UNO - 月島君めっちゃ格好いい！しかも可愛い！ (2015年8月15日 11時) (レス) id: e7cf931261 (このIDを非表示/違反報告)
凪奈(プロフ) - やばいいいいい！ツッキーかっこよすぎ！アルマジロウさん天才すぎです！ (2015年1月7日 17時) (レス) id: acad482a4b (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロウ(プロフ) - 桜並木さん» お待たせしました！更新がんばります！まず前のやつ直してからだけど笑 (2015年1月7日 16時) (レス) id: 9158ed522c (このIDを非表示/違反報告)
アルマジロウ(プロフ) - リーゲールーさん» 遅くなってすいません！コメントありがとうございます！ (2015年1月7日 7時) (レス) id: 9158ed522c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スダ x他1人 | 作成日時：2014年11月24日 7時
