僕の枕な君 【月島蛍】

枕が１９個 ページ19

「部活おつかれ」

「うん、月島くんもおつかれ」



走ってきたからか、それとも部活で動いていたからか。
乱れている髪を恥ずかしそうに直す彼女が可愛くて。

僕馬鹿みたいに可愛いしか思ってない。


「いこっか」

「うん」


彼女と一緒に歩き出す。

といっても、これからの予定なんて何も決めていなかったから


「夕ご飯すませた？」


彼女がそう提案してくれたのはありがたかった。

近くのファミレスに入った僕たちは、店員に言われるがまま、席に腰を下ろす。


僕と同じくらいの量を頼む彼女に、少し驚いた顔をすると、僕の様子に気づいたのか、彼女も頭に?を浮かべた。


「たくさん食べるね」


僕としては誉め言葉だったんだけど、彼女はそう受け取らなかったみたいで


「うっ...」


と、苦い顔をしていた。

僕としては、少食な子よりもよく食べる方が可愛いんだけど。

でも、苦い顔も一瞬だけで、料理が来た途端、美味しそうに食べるものだから、僕の顔も綻ぶ。


(あ、ショートケーキ...)


メニューにあったショートケーキ。
捨てがたいけど、彼女の前だからやめた。

メニューを閉じようとすると、



「ショートケーキ頼むの？私も食べたい！」

「え...」

「？...もしかしてチョコケーキだった？」

「いや...ショートケーキだけど」



彼女といると、いい意味で調子狂う。

男子なのにショートケーキとかって言われるかと思った。

まぁ、彼女はそういう人じゃないか...。



「...うん、じゃあ食べようかな」



ケーキは、僕がショートケーキ、彼女がチョコケーキを頼んだ。

ただのファミレスのケーキだけど、凄く美味しく感じたのは、彼女が隣にいるからか。

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