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誰なんだ、貴方は。
「 何やってんの。 」
「 ゾム先輩！？ 」
想定していなかった好きな人の登場に驚いて飛び跳ねる。大学で見るゾム先輩と変わらぬ姿に、どんどんと月の光が当たった。
「 何してるんですか、こんな所で。 」
「 寝れないから散歩してた。 」
「 散歩？怖。職質されますよ、また。 」
「 またって何やねん。1度もされた事ないわ。 」
ゾム先輩は眠たそうに欠伸をした。寝不足？最近、忙しいとは言ってた。まあ、就活生だから忙しいだろう。
「 何してんの、そっちは。 」
「 偵察です。地元を脅かす奴を見に来ました。 」
「 すいませんね、俺で。 」
「 え、この車はゾム先輩のですか？ 」
「 ちゃうよ。俺のじゃない。 」
「 じゃあ、誰のですか？ 」
「 さあ？知らない。 」
ゾム先輩は歩く。私の横を通り抜け。この車は誰の？無断駐車か。なら、通報するのが正しいのかな。
「 早く帰らへんと、お母さんが心配するで。 」
「 ひとり暮らしなんで大丈夫です。 」
「 ひとり暮らしなんや。 」
「 そうですよ。前にも話しましたけどね。 」
「 そうやっけ。ごめん、脳溶けてるから。 」
「 何時も通りで安心しました。 」
ナンバーの写真を撮る。警察に突き出すには、証拠が必要だ。取り敢えず、今日以降にも何度も無断駐車があれば通報しよう。危ないしね。危ない奴の車かもしれないし。
「 幽霊見た？ 」
「 幽霊ですか？ 」
「 ほら、この間、言ってた。幽霊。トンネルの奥で見たんちゃうの？ 」
「 見ました！揺れる人影を確かに視認しました。 」
「 それだけ？人影だけなん？ 」
「 はい、そうですね。 」
「 良かった。 」
「 え？ 」
「 良かった。Aがもっとこわいもの見なくて、良かった。 」
ゾム先輩が振り返り、少し微笑む。綺麗な八重歯。魅力的な人。結婚して。流石にそろそろ入籍して。
「 ゾム先輩、最高です。 」
「 ほら、" 悪い噂 "。 」
食堂でネットニュースをぼんやりと見ていると、アオイ先輩が隣に座った。許可してないんですけど。
「 言ったでしょ？ゾム君、悪い噂あるって。 」
大好きな人がテレビに映ってた。本名も年齢も大学も全て晒されて。そして、無表情だった。何も考えてないのか。それとも、脳が溶けているのか。誰か、夢だと言ってよ。
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紗枝(プロフ) - ちびさん» こんばんわ。温かいコメント有難う御座います。本当に嬉しいです☺ " はくしき "とても思い入れのある作品です。そんな風に言って下さって、光栄に思います。これからも度々、覗きに来てくれると嬉しいです💐 (5月30日 3時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ちび - この短編集から貴方様の事を知りました。とても文が好きで文字の使い方が好きです。とくに「はくしき」が何か胸にもやっとくるような不思議な気持ちになりましたとても好きです😢✨これからも応援してます。 (5月29日 21時) (レス) id: b1c4d4a663 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 大神さん» こんばんわ。通知に紛れてしまい、反応が遅くなってしまいました。申し訳御座いません。お優しい言葉、言葉にならないくらい嬉しいです😊 これからも見守って下さると嬉しいです🥰🥰 (5月21日 22時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
大神(プロフ) - zmさんの小説を読んでから全ての作品を読ませて頂きました。どの作品も心に刺さりましたが、この短編集が特に好きです。こんなに自分好みの小説を書かれる方に初めて出会い、言葉にならないくらい好きです。これから応援しております。 (5月20日 12時) (レス) @page37 id: 48f5acd833 (このIDを非表示/違反報告)
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