54 : ひみつ ページ4
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自分の知っている誰かが、自分の知っている誰かと繋がっていると言う事は、案外、当たり前な事なのかもしれない。
「 今度、彼奴をメンバーに会わせるから。それ迄は、エミさんから皆に言うのは、控えといて。 」
「 勿論です。食事会、楽しみにしています。 」
コネシマさんは、随分と優しい表情をする様になった。
その表情の裏側には、多くの苦悩と決断があった筈だが、真実の愛を手に入れたコネシマさんは、誰よりも強い。
「 改めて、おめでとう御座います。どうか、末永くお幸せになって下さい。 」
秋の気配が近付く10月。
仲間のひとりが、幸せになろうとしている場面に、遭遇する事が出来た。
大人になってから、付き合いのある友人は、どんどんと限られて来る。
だからこそ、私はメンバーを大切に思っているし、ゾムさんとコネシマさんの結婚も、心の底から祝福していた。
コネシマさんは照れ臭そうにするだけだったが、その左手に輝く宝石が見れるのは、何時頃になるのかと、私も楽しみになった。
『 11月13日( 水曜日 )』
私と彼は緊急で宮城県仙台市に向かっていた。
和歌山駅から新大阪駅に向かい、新大阪駅から東京駅、東京駅から仙台駅に移動して、トータルの移動時間は約7時間。
彼の地元に着いたのは、13:00を過ぎた頃だった。
何故、私達が急いで彼の地元に向かっているのかと言うと、昨夜、彼の知らない電話番号から彼の携帯に着信があったらしい。
そして、電話番号の市外局番が" 022 "だった事に、彼はとてもつなく嫌な予感を覚えた。
市外局番が" 022 "の都道府県は、彼の地元である宮城県だからだ。
彼が電話に出てみると、それは宮城県にある病院からで、彼のご両親が交通事故に遭い、入院をしていると言う内容であった。
今直ぐ、宮城県に戻って来て欲しいと言う依頼に、彼は全てを投げ捨てる覚悟で、宮城県に戻る準備をしていた。
その際、私に一報を入れてくれたのだが、「 ひとりでも大丈夫ですか? 」と言う私の言葉に、彼は数秒間、黙り込む。
それは、彼が未熟な22歳である事を、十分に表していて、私も直ぐに宮城県に向かう準備を始める。
本日・水曜日は休日であるので構わないのだが、日帰りで和歌山県に戻って来れる保証は無い。
その為、明日も緊急で休みを貰い、何があっても大丈夫な様に万全に整えた。
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紗枝(プロフ) - 子羊さん» お早う御座います。子羊さん、ご無沙汰です😀コメント有難う御座います!皆様にパートナーシップ制度の理解が、浸透する事を願って書きました☺️今後の作品も楽しみにして頂けると、幸いです🫶 (1月24日 12時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
子羊(プロフ) - 秘密の恋人、完結おめでとうございます!パートナーシップ制度の事が詳しく知れて、とても面白くて勉強になる作品でした。次の作品も楽しみにしてます! (1月24日 2時) (レス) @page31 id: d689fcbe75 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - ゆず塩さん» こんばんわ。コメント有難う御座います!楽しんで頂けて幸いです🌟これからも是非、見守って頂けると幸いです😀 (1月23日 23時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 完結お疲れ様でした!最初から最後まで本当に考えることができる作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました!他の作品も楽しみにしています!! (1月23日 23時) (レス) @page31 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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