76 : ひみつ ページ26
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彼は、どうして自分がこんな場所に連れ出されたのか分からぬままだったが、私は今日、やっと彼に渡す事が出来る。
「 翔吾さん、どうしてこんな高級な場所に？ 」
「 良いから、まずは食べましょう。仕事も疲れたでしょう。好きな物を食べて下さいね。 」
「 記念日？誕生日じゃないけど……翔吾さん、聞いてる？聞いてないでしょ？ 」
金銭的な部分で心配している彼とは裏腹に、今日位は派手にパーティーをしたい気分だったので、私は非常に機嫌が良かった。
久し振りにこんなに張り切った場所で、彼とふたりで食事をしている。
東京都に来てから2ヶ月程経つが、新しい職場でも上手くやっているし、彼も塾で働いて活き活きしていた。
やはり、彼は学ぶ事が好きなんだろう。
だから、常に緊迫した現場でもへこたれる事無く、自分の思うままに働いている。
彼の羨ましい所であり、彼の素晴らしい所だった。
「 非常に美味しい料理でしたね。都内でも有名な店らしいです。選んで良かった。偶に口コミと言う物を信じてみても…… 」
「 随分と饒舌だね。何か話したい事でもあるの？ 」
どうやら、彼は最初から勘付いていたらしい。
やはり、彼に隠し事は不可能だ。
私は隠していたIL BISONTEのショッピングバッグを彼の前に出すと、彼は目を丸くした。
「 IL BISONTE？ 」
「 そうです。婚約指輪の件なのですが、アクセサリーは馴染みが無いので、此方を選んでみました。是非、開けてみて下さい。気に入って頂けると、光栄です。 」
彼は丁重にショッピングバッグの中から、ふたつの小さな箱を取り出し、テーブルの上に並べた。
「 ひとつは俺で、ひとつは翔吾さんのでしょ？どっちが翔吾さんの？ 」
「 見たら分かりますよ。まずは、開けてみて下さい。 」
私の言葉に頷いてから、彼はひとつ目の箱を開封した。
「 キーケース？ 」
「 そうです。色々、考えたのですが、キーケースにしました。同じ家に住めると言う事は、特別な事です。だから、キーケースを。 」
艶やかなブラックのキーケースを、彼はじっくりと見詰め、直ぐに目の際に皺を寄せた。
そして、ふたつ目の箱に手を付け、開けてみる。
ふたつ目の箱のキーケースは、オリーブ。
「 これは、翔吾さんのだ。 」
そう言って、彼は私にオリーブカラーのキーケースを渡す。
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紗枝(プロフ) - 子羊さん» お早う御座います。子羊さん、ご無沙汰です😀コメント有難う御座います！皆様にパートナーシップ制度の理解が、浸透する事を願って書きました☺️今後の作品も楽しみにして頂けると、幸いです🫶 (1月24日 12時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
子羊(プロフ) - 秘密の恋人、完結おめでとうございます！パートナーシップ制度の事が詳しく知れて、とても面白くて勉強になる作品でした。次の作品も楽しみにしてます！ (1月24日 2時) (レス) @page31 id: d689fcbe75 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - ゆず塩さん» こんばんわ。コメント有難う御座います！楽しんで頂けて幸いです🌟これからも是非、見守って頂けると幸いです😀 (1月23日 23時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 完結お疲れ様でした！最初から最後まで本当に考えることができる作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました！他の作品も楽しみにしています！！ (1月23日 23時) (レス) @page31 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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