【 wrwrd! 】ひみつの恋人【 em 】

53 : ひみつ ページ3

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　「 別に、大した事やないんやけど、一応、話しておこうかなって。 」
　「 どうされたんですか？ 」
　「 俺、結婚するわ。 」
　
　
　コネシマさんは、普段と変わらない無表情。
　声に感情が乗っている訳でも、幸せそうに目尻を垂らしている訳でも無い。
　
　
　「 ……結婚ですか？ 」
　「 まだ、他の奴等には言ってないんやけど、先に言っておこうかと思って。 」
　「 コネシマさんって、お付き合いされていた方がいらっしゃるんですね。 」
　「 昔、少し付き合ってた。復縁って事やと思うんやけど、結婚する事にしてん。 」
　「 どうして、私に教えてくれたんですか？ 」
　「 別に深い意味はないんやけど、俺が先陣切った方が、そっちもやり易いと思って。ゾムが結婚した時、めちゃくちゃ叩かれたけど、彼奴、ケロッとしてたやろ。ノーダメージやってん。守りたい女がいると、随分と無敵になるんやなって。俺も、結婚に拘ってた訳やないけど、向こうがしたいって言うし。するか、ってなって。 」
　
　
　ゾムさんが結婚した時は、熱愛が出てしまった影響もあったけれど、ゾムさんと奥様で納得する迄考え抜いて決めたのだと思った。
　だけど、コネシマさんはあっさり、奥様に言われたからと言っているし、結婚を喜んでいる訳でもないし、こんな簡単に結婚って決めて良いんだと思った。
　
　
　「 ゾムの次に火炙りにされるのは俺。その次は、エミさん。分からんけど。他のメンバーに越されるかもしれんし。 」
　「 本来は、私達の結婚って祝って欲しいんですけどね。 」
　「 無理やろ。俺達に夢見てる視聴者も多いし。別にええけどな。俺達が決める事やないし。 」
　「 ご結婚、おめでとうございます。何時頃、入籍されるんですか？ 」
　「 来年やと思うよ。分からん。向こうが全部、段取ってる思うし。俺は用意されたプロポーズを、ちゃんとこなしただけ。 」
　
　
　コネシマさんが、プロポーズをするなんて、余りにも想像が出来なくてぼんやりとしてしまった。
　コネシマさんも、人を好きになって、愛したり、望んだり、独占したいと思うんだ。
　コネシマさんの奥様は優里さんと言って、ゾムさんの会社の後輩であり、ゾムさんの奥様とも仲が良いらしい。
　「 世界って狭いな 」とコネシマさんは言ったけれど、本当にその通りだと思った。
　
　
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