68 : ひみつ ページ18
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彼の涙が枯れる迄、彼が自分の気持ちを押し殺さないで居れる日迄、否、彼が私の最期を見届ける迄、側に居ると改めて誓うのだった。
『 6月30日( 月曜日 )』
その日、私は就職してから最も緊張している精神状態になっていて、流石に怪しいと思ったのか、隣のデスクの奥河さんが心配そうに私に尋ねた。
「 新島さん、顔色悪くないですか？何かありましたか？体調でも、悪いんですか？ 」
「 ……いえ、そう言う訳では無いのですが……実は、本日、上司に退職届を出す予定です。奥河さんが仰ってくれた様に、彼とふたりで東京で暮らす事にしました。引越しの目処が詳しく付いている訳では無いのですが、彼が先に東京で暮らして、後から私が追い掛ける予定です。だから、辞めれるなら今直ぐにでも辞めたいのですが、そう言う訳にもいかないでしょう。だから、退職の打ち合わせをする予定なんです。入社以来、こんなに緊張する場面はありません…… 」
私が本当に緊張している事に気付いた奥河さんは、先ず最初に「 落ち着きましょう 」と言った。
「 落ち着きましょう。深呼吸をして下さい。その次に、脳内トレーニングをするんです。脳内イメージでも構いません。兎に角、想像力を働かせて下さい。 」
奥河さんに言われた通り、数回程、深い深呼吸をして精神統一への一歩を踏み出したが、全く落ち着ける訳が無い。
脳内トレーニングも脳内イメージも、自分が嫌になる程、取り組んだ後だった。
その為、今は完全に自暴自棄の状態であり、緊張はしているものの、どうにでもなれと思っているのも事実だ。
大体、会社に私が必要かと言われたら、ただの社員にしか過ぎず、私が必要な彼にとって私は、たったひとりの恋人。
そして、これから家族になる人物なのだから、仕事もキャリアも全部犠牲にして、彼を選ぶつもりだった。
勿論、最初は腹を割れなかったけど、今の私は昔の私とは違う。
「 退職届を出して来ます。それで、話をして来ます。 」
長年、務めて来た会社を突然、辞めると言うのは上司にとっても、同期・後輩にとっても、驚きの種かもしれない。
しかも、東京で同性の恋人と同棲すると話し出したら、色々と次元が違う様な感覚になるのでは無いだろうか。
様々な可能性と、相手の反応をある程度、予測する事によって、何を言われても、どんな事をされても、負けない覚悟をして来た。
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紗枝(プロフ) - 子羊さん» お早う御座います。子羊さん、ご無沙汰です😀コメント有難う御座います！皆様にパートナーシップ制度の理解が、浸透する事を願って書きました☺️今後の作品も楽しみにして頂けると、幸いです🫶 (1月24日 12時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
子羊(プロフ) - 秘密の恋人、完結おめでとうございます！パートナーシップ制度の事が詳しく知れて、とても面白くて勉強になる作品でした。次の作品も楽しみにしてます！ (1月24日 2時) (レス) @page31 id: d689fcbe75 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - ゆず塩さん» こんばんわ。コメント有難う御座います！楽しんで頂けて幸いです🌟これからも是非、見守って頂けると幸いです😀 (1月23日 23時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 完結お疲れ様でした！最初から最後まで本当に考えることができる作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました！他の作品も楽しみにしています！！ (1月23日 23時) (レス) @page31 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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