66 : ひみつ ページ16
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「 パートナーシップ制度も、登録しようと思ってます。正式な家族ではありませんが、私達が一緒に居れる手段のひとつです。 」
きっと、両親はパートナーシップ制度の事も詳しくは理解していないだろうが、何となくのニュアンスが伝わったのか、曖昧に頷いていた。
「 ふたりで幸せに暮らすよ。勿論、ちゃんと実家にも顔を出します。ふたりで。 」
彼を見ると、彼は力強く相槌を打ち「 是非、お邪魔させて下さい 」と言うと、父は「 何時でもどうぞ 」と言った。
その後、短い時間だったが両親と彼の顔合わせは楽しい物で終わる事が出来、帰る際には母が親戚が送って来た苺を、彼に持たせようとするので、恥ずかしくなった。
学生時代、実家に遊びに来た私の友人に、親戚が送ってくれる枇杷や桜桃・杏をお裾分けする母の事が、恥ずかしくて堪らなかった。
あの時の記憶が蘇り、懐かしくなる一方で、母の変わらぬ深い愛情にも、胸が温かくなるのだった。
「 引っ越す時に、また連絡します。そうしたら、ちゃんと食事にでも行きましょう。 」
「 体に気を付けて。A君も。ちゃんと連絡もして。待ってるから。 」
「 お邪魔しました。有難う御座いました。 」
少し不安そうに私達を見送る母と、昔から寛容的な父の視線を交互に浴びながら、私達は私の実家を後にした。
『 5月27日( 火曜日 )』
「 気持ちの良い晴天ですね。それにしても、梅雨は何時頃やって来るのでしょうか。 」
脳天気な私の横で、彼は非常に真剣な表情をしながら、「 此処は花畑じゃなくて墓だよ 」と冷静な事を言った。
本日は、私の両親に引き続き、彼の両親に東京で同棲をする事と、パートナーシップ制度の登録を考えている事を伝えに来た。
やって来たのは、彼の最愛の両親が眠る墓場で、彼と私はそれぞれ花束を持っているが、これが何の花で、どんな意味を持つのかは分からない。
彼が花屋で揃えたらしく、花の知識が全く無い私は、取り敢えず彼の荷物持ち要員として、一緒に居る。
彼の両親の名前が刻まれた墓の前で、彼は暫く見詰めると、「 俺はこの墓に入るんでしょ？ 」と言った。
「 同じ墓には、入れないんでしょ？ 」
「 地域によって、政策は違います。だから、分からないけれど、入れない確率の方が高いかもしれません。 」
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紗枝(プロフ) - 子羊さん» お早う御座います。子羊さん、ご無沙汰です😀コメント有難う御座います！皆様にパートナーシップ制度の理解が、浸透する事を願って書きました☺️今後の作品も楽しみにして頂けると、幸いです🫶 (1月24日 12時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
子羊(プロフ) - 秘密の恋人、完結おめでとうございます！パートナーシップ制度の事が詳しく知れて、とても面白くて勉強になる作品でした。次の作品も楽しみにしてます！ (1月24日 2時) (レス) @page31 id: d689fcbe75 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - ゆず塩さん» こんばんわ。コメント有難う御座います！楽しんで頂けて幸いです🌟これからも是非、見守って頂けると幸いです😀 (1月23日 23時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず塩(プロフ) - 完結お疲れ様でした！最初から最後まで本当に考えることができる作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました！他の作品も楽しみにしています！！ (1月23日 23時) (レス) @page31 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
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