【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳VII【男主】

天才羽化 ページ21

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影山「躱せ！！！それ以外に出来ることあんのか！！ボケが！！！」


日向「！！」



しかしそんな日向に直後怒号が飛んだ。ブチギレモードの影山が大声を出すのは初めて見た。

キレている影山は静かでも圧がすごかったのだ、声が大きくなるとそりゃあ凄さも倍になる。

自分が叱られているというわけではないのだがコート内にいる全員の肩が大きく跳ねた。影山、そんなキレてると本当に血圧上がるって。


怒鳴られた当人である日向はほぼ反射的に体が動いた。一瞬体をかがめタメを作った後、持ち前の俊敏さで一気にネットに沿って真横に移動する。

そしていざ跳ぶかと思った瞬間、まさかのさらに後ろにステップ、からの横っ飛び。
まさに不規則的な動きと言える動きで、ブロックは完全に置いてきぼりだ。


こんなにスパイカーに動かれたら、セッターもトスがあげられない。そう、本来は。

うちのセッターは、悔しいけど天才だ。


ドヒュン、という音と同時に影山の掌から丁寧に丁寧に放たれたトスは、次の瞬間日向の振り下ろされた腕により相手コートへと叩きつけられた。



影山「お前はエースじゃないけど！！そのスピードと、バネと、俺のトスがあれば！！どんなブロックとだって勝負できる！！！
エースが打ち抜いた一点も、お前が躱して決めた一点も。同じ、一点だ。
それでもお前は今の自分の役割が！！カッコ悪いとおもうのか！！！」


日向「思わない……思わない！！」


影山「よし！！」



日向は若干泣きそうな顔で大声で言った。影山の表情もいつの間にか晴れている。


……いや、いやいやいや。


普通トスから「ドヒュン」なんて音なるか？ならないでしょ野球ボールじゃないんだから。

冷静になった頭で改めて現実を否定させて欲しい。いつだって影山は世の中の理というものをぶち壊してくるからほんと困る。


だけど、よかった。変態…じゃなくて、変人コンビの仲が戻ったのはもちろんなんだけど、そうじゃなくて。

影山が、今回の件を通して成長した気がする。一見成長したのは日向のように感じると思うが、日向は自分の役割を再認識しただけで成長したのは影山だ。


あんなに無愛想で1人でバレーやってるというような男だったのに、今回の件でしっかり日向を生かした。日向を見て日向と向き合い、日向を捨てなかった。


大きな成長だ。うちのセッターは天才だけど、それ以上に成長するから厄介だ。




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