【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳VII【男主】

心配事 ページ16

.




日向「…っ、う〜〜〜っ…」


貴「あっ、生きてる。」


菅原「やめなさい縁起でもない。」


西谷「日向頭大丈夫か！！」


田中「んっノヤっさんそれ暴言じゃ…？？」


東峰「大丈夫かあぁあ！？ごめんなあぁあ！！！」


月島「どう考えてもボケっとしてたコイツが悪いでしょ。」


武田「きゅっ救急っきゅ、きゅうきゅっ、」


烏養「落ち着けよ先生。」



服の袖で顔の汗を拭いながら日向に近寄れば、彼の悶えるかのようなうめき声が聞こえた。
とりあえず息があることを確認できたため「生きてた」と心の声を漏らしたのだが、すぐに顔を顰めた菅原先輩に小突かれたため口を慎む。


額を押さえてうんうん唸る日向を見て全員が安堵の声(例外あり)を漏らした。

ネットの向こうにもこちらに駆け寄ろうとしていた町内会の人たちがいて、お騒がせしてすみませんと軽く頭を下げる。


盛大に吹っ飛んだのだにも関わらず以外とケロリとした表情で起き上がった日向。身体は本当に頑丈だなと、少し赤くなっているだけの額を見ながら思った。
きっと全員が同じことを思っていただろう。



貴「でもちょっと休んだほうがいいでしょ、頭打ってるんだし。」



僕も同じく感嘆の息を漏らしたが、それとこれは話が別である。頭を強打しているから、脳震盪になってもおかしくない。

いくら比較的柔らかいバレーボールだとはいえ、東峰先輩のスパイクは重い。かなりの衝撃があったと見ていいだろう。ってかその後床にもぶつけてるからね君。


僕の提案に、武田先生も心配そうな面持ちで頷いた。救急箱の中を確認しに行こうと腰を持ちあげた先生は、その姿勢のまま日向を振り返る。



武田「念の為休憩をとったほうが＿＿」


日向「ほ、ほんとに大丈夫です！ちょっと躱しきれなかっただけで大したことは…顔面受け慣れてるし！！」


菅原「慣れちゃだめだろ…。」


日向「あはは……。」



腰を浮かせた武田先生の服の裾を掴み必死に訴える日向。
呆れ顔の菅原先輩がツッコミを入れたが、日向は苦い顔をして笑っている。

本当に大丈夫だろうか、という心配がなかったわけではないが、日向の受け答えもしっかりしている。
杞憂だったかと独り合点し、そして後ろで待機していた人物に道を開けた。



日向「ひっ！？」


影山「……。」



鬼の形相の影山である。

さぁ、コイツには耐えられるかな。と、内心面白半分で実況をしていたことは言わないでおこう。





.

お見通し→←予感的中

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す