【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳VII【男主】

予感的中 ページ15

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事件はすぐに起きた。


点数2:2、現在ラリーの真っ最中。
嶋田さんという人が打ったフェイントによりこちらのコートが乱され、なんとか繋いで向こうのコートにチャンスボールを返したところだ。

ナイスフォロー、と繋いだ田中に声をかけながらネット際でブロックの準備をする。向こうのコート内で忙しなく動く菅原先輩の動きをしっかり見て、東峰先輩に託されたトスを追った。


しかし、トスがかなり早かった。菅原先輩が今まであまり見せなかった、多少無理なトス。

いつもは安定したトスを出す先輩から放たれるというのは予想外だったのだが、東峰先輩はそれにピッタリ合わせている。これが信頼と経験か…と2人のコンビに多少舌を巻いた。


反応が遅れた僕たちは結局ほぼブロック1.5枚といったようなもので、３枚ブロック相手に勝負できる東峰先輩のスパイクを防ぐことはほぼ不可能。綺麗にストレートを抜かれてしまった。

ストレートで構えているのはレシーブの苦手な日向。あまりそこに打たせたくなかったんだけどな…、と苦い思いを抱きながら、日向の名前を呼んで振り返った。



日向「…え？」



そして振り返った瞬間絶句した。今から信じられないだろうことを言うが、日向が棒立ちだったのである。

流石の初心者日向でも、レシーブの構えくらいは知っているはずである。しかし何か別のことを考えていたのか…何があったのかはわからないが、日向が気がついた瞬間ボールは彼の目と鼻の先。


そして次の瞬間、バガァン！！ととんでもない音を出しながらボールは日向の額にクリーンヒット。彼は後ろへ吹っ飛び、床に強く背中と頭を打ち付けた。



影山「！？ばっ…、」
東峰「うわああああ！？！？」
田中「ギャーーッ！！」



全員の悲鳴が重なり、次の瞬間全員が日向の名前を叫びながら彼に駆け寄った。



月島「うっわ…！？」



隣の月島でさえも、ブロックの手を持て余したまま絶句して硬直している。それほどかなり豪快に吹っ飛んだのだ。多分ちっちゃいから余計に飛びやすかった。


あちゃあ、と額に手を当てながら、日向の様子を野次馬気分で確認しに行く。月島も我に帰ったようで、ズレたメガネを押し上げながら僕の後ろをついてきた。




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