【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳VII【男主】

カッコつけ ページ13

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そんな嬉しそうな澤村先輩を、田中が幸せそうな様子で眺めていた。
東峰先輩が部活に来なくなった後、三年生はいつもどことなく落ち込んだ雰囲気を纏っていたのだ。

そのオーラも完全に吹き飛んで田中も喜んでいるのだろう。あぁ見えてあいつも仲間思いだ。


田中は一つスンと鼻をすすった後、親指で自分の胸をトンと叩きながら前に出た。挑戦的に笑い自信満々といった様子で顎を引く田中。



田中「何いってんすか大地さん！こっちには俺が居ますよ！」
日向「こっちにはおれがいますよっ！」


貴「え、何？」



おそらく渾身の決め台詞を言ったのだろうが、途中から日向の声が混ざったため最後まで聞き取ることができなかった。

思わず聞き返せば、田中は顔を真っ赤に染めて日向を怒鳴りつける。



田中「日向被ってんじゃねーよ！！せっかくの俺のかっこいいセリフが台無しじゃねぇか！！グダグダだよバカヤローッ！！」


日向「っ！？」



日向の肩をがっちり両手で掴んで前後にユサユサと揺らす田中。やっちまった、という顔でガクンガクン揺らされている日向に悪気は全くなかったらしい。ただの馬鹿ってことね。


そうして再開された試合はその後もなかなか均衡したゲームになった。僕らのチームも変人コンビを積極的に使っていく。
一発目見せた時のみんなのどよめき具合といえば、最高と言ってもいいと思う。何が起きた、と顔に書いてあるような間抜け面はとても面白い。

影山のセットもあいも変わらず正確だし、日向も囮として機能するようになってきた。仕掛けるならここら辺からである、きっと影山も同じことを考えているだろう。


最終的に第一セットは日向のブロックミスにより25対19で取られてしまったが、勝負は次からであろう。




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