【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳VII【男主】

運無き者たち ページ30

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その後食堂から部屋に戻った僕たち。風呂の順番は三年からという話になったため、縁下の指示により三年が風呂に入っている間布団を敷いておくことにした。



田中「布団のシーツどこだっけ？」


木下「風呂場の隣の部屋だな。俺もいく。」



三年の布団の準備は後輩である一年に任せ、作業を分担しながら効率よく準備する。…まぁ彼らの性格的に、後から枕投げとかになって出したシーツもぐちゃぐちゃというのがオチだろうが。



日向「一年は四人で三年は三人だから…ハッ！誰か一人やらなくていい！？…頼んだぞみんな！！」


影山「「頼んだぞみんな」じゃねえお前がやれ、俺は爪の手入れがまだ終わってねぇ。」


月島「それは自己中でしょ。君たち三人でやってよ。」


山口「まぁまぁ…ここは公平にジャンケンで決めない？」



一年も一年で揉めているようだ。四人で輪を作って全力でジャンケンをして相手を蹴落としあっている彼らを見て、縁下が苦笑した。四人のジャンケンなのにやけに長く続くな…。

問題児三人に対し、苦労人一人。山口の胃が案じられる。


ギャアギャアと騒いでいる彼らを背に、僕らは一足先に押し入れから敷布団等を取り出す。合宿所にある布団って薄いくせに重いのどうにかなんないのかな…。

よいせ、と布団を抱え自分の場所へ運ぼうと体の向きを変える。しかし目の前に不貞腐れたような顔の日向と苦笑いの山口立っていて、びっくりして少し後ずさった。



西谷「お？二人がジャンケン敗者か？」


日向「…いえ、叩いて被ってジャンケンポンでノッポ共にぶん殴られて負けました。」


山口「僕も…。」


西谷「ブッッッ、ハァ！？お前ら馬鹿かよ！？！？」



枕を両脇に抱えていた西谷が吹き出して笑い出した。僕も笑いが抑えられず思わず肩を震わせてしまう、普通にジャンケンで決めればいいものを…よほどの馬鹿らしい。


頑張って、と未だ笑いで震える声で二人を励ましながら、押し入れの前から退く。チラリと横目で見た時、日向が三人分の布団を抱えていたような気がするが…こんなの一枚でも充分重いのに、一体どんな怪力だろうか。


自分の荷物の近くに布団を置き、掛け布団を広げる。もうそろそろ田中たちもシーツを持って戻ってくる頃かと時計に目を向けた時、



縁下「日向前！！天野危ない！！」


貴「？…うわっ！？」



すぐ後ろに、布団を三組抱えた日向が立っていた。




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