嵐みたいな ページ34
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僕らのこのやりとりの一部始終をキョトン顔で見つめていた一年生に気づき、話題に置いてきぼりにしてしまったことを少し申し訳なく思う。
「この前紹介した、部活禁止がようやく解けた問題児の西谷だよ」と説明すれば、納得したように頷いていた。
日向「お…お……」
ふむふむと興味深そうに頷く影山の隣で、日向が大きく目を見開き細かく震えた。
その様子を不思議に思った僕たちを代表して、菅原先輩がどうしたのかと日向に尋ねる。
そして日向は、あの禁句を口にしてしまった。
日向「俺より…小さい!?」
西谷「あぁん!?てめぇ今何つったァ!コラァ!!」
背景にズギャギャギャーンと鋭い雷を落とす風に驚いた日向。
そして先ほどまで伸びていた西谷も禁止ワードを迷いなく言われたからか、すぐに起き上がって日向に飛びかかった。
まぁまぁ、とドン引きしながら西谷の肩を叩いて宥めようとする田中。グッジョブである。
しかし西谷の圧に屈した日向は「ごめんなさい」と自分の失言に気がついたように震えながら謝った。しかし重要なことに、日向は馬鹿である。
日向「あの、身長何センチですか…。」
西谷「アァ!?」
信じられないものを見るかのような目つきで、止まることなくそのまま地雷を綺麗に踏み抜いた。地雷原でタップダンスである。
西谷「159センチだ!!」
日向「ひゃっ…!?うおぉ…高校の部活入って初めて人を見下ろしましたっ…!!」
西谷「大して見下ろしてもねえだろうが泣いて喜ぶな!!!」
昔から全く変わらない西谷の身長を聞いて、162cmの日向が思わず涙した。感涙である。
そしてこれにより西谷が再び激怒した。片手の拳を固めながらこめかみに青筋を浮かべる西谷。相変わらずおっかないが、前とあまり変わらないその姿に少し安心した。
西谷「お前ら一年か!!あ、そのデカくて目つきの悪い方!お前どこ中だ!!」
影山「あ、えと、北川第一です。」
西谷「まじか強豪じゃねーか!!俺中学ん時あたって2-1で負けたぞ!!!」
菅原「声でかいなぁ」
澤村「相変わらずうるさい」
貴「なんかすみません…。」
新一年と対面できて嬉しいのだろう、いつも以上のボリュームで話す彼を見て先輩たちが呆れたようにため息をついた。
申し訳なくなり咄嗟に謝るが、彼らの顔はどこか嬉しそうだ。
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雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんこそ、こんなご時世ですのでお体にお気をつけてお過ごしください!お気遣いありがとうございます! (2022年6月14日 22時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 雨智よゐさん» 頑張ってください…!ただ、頑張りすぎて体調崩したりしないように頑張ってください(?) (2022年6月14日 6時) (レス) id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» 暖かい応援コメントありがとうございます…!!これからも皆様のもとに面白さが届けれるよう頑張ります…。続編もよろしくお願いします! (2022年6月14日 6時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます〜!🎉こんなに長々と書いてしまっている作品を未だ読み続けてくださりありがとうございます…。玲さんこそ!体調にはお気をつけてお過ごしください! (2022年6月14日 6時) (レス) @page49 id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしています!更新頑張ってください!! (2022年6月14日 5時) (レス) @page50 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨智よゐ | 作成日時:2022年4月23日 0時