【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳II【男主】

キレ気味 ページ48

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その後田中を蹴飛ばして部室から退散させ、僕は着替えてサポーターもつけて外に出た。

まだ外に田中がいてだる絡みされたらどうしよう、ってちょっと考えてたけど、流石にいなかった。安心。
まぁあいつ試合出なきゃだし。てかもう試合始まってんじゃね？？やべ、やべぇ。


急いで部室の鍵を閉めて体育館へ向かう。こーゆーときばかりは、走る足が止まらない。息も全然上がらない。
なんてったって、保身1番。このあとどうなるかって考えるよりは、何も考えず焦って走った方が……いや、改めて考えてみるといいとも言えない。うん。


先ほどと同じように体育館の扉を目指し走り、扉を開ける。荷物を置いてきたから身軽になっており、さっきほど息は上がらなかった。
体力ないとは言われるけど、まぁ普通にバレーボールプレイヤーだし。文化部ほど動けないってわけじゃない。


体育館に飛び込んで最初に目に入るのは、ネットを挟んで握手を交わす選手たち。ギリギリ試合開始に間に合ったようで。

水筒とタオルをみんなが荷物置いてるところに置いて、烏養監督のところまで走る。またいきなりの運動だったため、少しだけ心臓がトクトクと音を立てていた。



貴「…烏養監督、ただいま戻りました。」


烏養監督「随分と遅かったな？」



ほらきたーーーー。言われると思ったーーーーー。

あれもこれも全部田中のせい。あとでなに奢らせてやろうか。アイスなんかじゃ許してやんない。…ランボルギーニでも買わせる？？？


ここで田中のせいにしたいのは山々なんだけど。本当にしたいって気持ちしかないけど！！！！…寝坊したの僕だから、ぐちぐち言っても多分全部僕が悪いってことになる。


すみませんでしたってとりあえず謝っておこう、なんて軽い気持ちで頭を下げる。ほんとにランボルギーニ奢らせるからな。田中。



烏養監督「まぁいい、今から試合始まるから、お前ラインズマンつけ。」


貴「……はい…。」



本格的に試合に出す気ゼロ。まぁユニフォーム無い地点でゼロなんて超えてマイナスだけどね？？？

寝坊一つでこんなに怒んなくたっていいじゃん。血圧上がるよおじいちゃん。…はー、むかつくむかつく…。


ボールカゴの下の段に突っ込まれていたフラッグをとって、小走りでラインズマンの位置につく。もう片方は清水先輩がフラッグを握っていて、残りの二つは他校の人がやってくれてた。


あー、だるいな…。アイス食べたい。




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