【HQ!!】千鳥山出身、烏野の脳II【男主】

俺からみたアイツ ページ20

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西谷side



アイツとは三年の付き合いだが、不思議なやつだと思うことは未だにある。それもまぁ何回も。


物静かでめんどくさがり、言ってしまえば俺と真反対。
まぁ、だからこそ印象に残ったのだけれど。運動部にはなかなかいないタイプだったから。


アイツはバレーにあまり興味がないようで、いつも言われたことをただやっていた。
だが、怒られないためのバレーをしているように見えなかった。
走ることを嫌がり、何かに夢中になろうともしていなかったように思える。


だから監督はいつもカンカン。……と言いたいところだが、監督は視界にも入れていなかった。背が低いくせに真面目に練習しないから、一切戦力として考えていなかったんだろう。

一年の夏、アイツの実力だけならレギュラーも狙えたかもしれないのに、一試合も出なかった。


その後三年生が引退、主力が一気に抜けた。練習もどんとキツくなって、どうせそこらですぐにバテるだろと思っていたが、意外にもアイツは部活を抜けなかった。


訳のわからないやつだと思った。バレーが好きな訳じゃないのに。まさかドMか？あの顔で。


だんだんと興味も募っていったある日。どういう風の吹き回しか、監督が急にアイツを試合に出すと言い出した。練習試合だけど。

その時はその場にいた誰もが首を傾げたものだったが、今思えば監督の嫌がらせだったのかもしれない。


"お前失敗してこいよ。それで恥かいてこい。真面目に練習しないからそうなるんだぞ。" みたいな。

いや、そうかもしれないな。そんな気がしてきた、監督そういう人だったし。





結果、圧勝。それもアイツの活躍により、だ。


俺も出ていた試合だったためアイツのプレーをしっかりとみることはできなかったが、あれは…なんていうんだ。

動いているようで、全く動いていないバレーだった。

常に一手先が見えているかのように動いていた。
正直言って気味が悪かったが、同時に面白いバレーをする奴だと思った。


……あ、でも、そっか。

そーいやあん時も、笑ってたな。



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