大人ぶってるだけだろ ページ46
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その髪についた花びらを取ろうと、息を吹きかける。
ふわりふわりと髪は浮くが、花びらがなかなか取れない。
はぁ、と諦めの気持ちが滲み出たため息を吐けば、そのため息など聞こえないほどの大声が被せられた。
西谷「たしかに昔とは違って弱くなったかもしんねぇけども！！当時監督だった、烏養監督が戻ってくんだぞ！未来は明るいだろ！！」
僕が言ったことに現実味を感じて焦ったのか、大声で言い切った西谷。
僕は、それをちらりと横目で見た。
貴「……真っ暗の間違いでしょ。何人辞めるかな。」
髪についた花びらを指でつまみながら、ぽつりとそう言う。
「てんめっ…！」そう言いながら、西谷が掴みかかってきた。
肩を、強く強く掴まれる。爪が食い込んでいるのかと言うほど、痛い。
貴「…本当のこと、言ってるだけでしょ。冷静に周りを見て判断した、結果だし。」
肩の痛みを感じ眉を顰めて、そう言い放つ。
現在の西谷とは対照的に、その後ろで、ひらひらと優雅に花びらが数枚踊っていた。
ぼんやりとそれを見ていると、一度大きく肩を揺らされて、視線が西谷に持っていかれる。
肩痛いって、言ってんじゃんか。僕は悪くないのに、どこに僕が痛みを味わう必要があるのか。
そう思い少しムッとしたが、その次に西谷から発せられた言葉に完全にキレた。
西谷「お前はいつも冷静に冷静にって言ってだけど、そんなん大人ぶってるだけだろ！！
お前は冷静なんかじゃない！夢がねぇだけだ！！」
貴「っ…何…。…喧嘩売ってる…？」
流石にイラっとした僕は、僕の肩を掴んでいた西谷の手をつかみ返す。
大人ぶってるって、何。……別に、大人ぶってなんてないし。
西谷の手を押し返そうとしたが、やはり力の差があるようで押し返すことは叶わなかった。
貴「僕が大人ぶってるって西谷が思うのは、それはっ…！西谷が、子供すぎるからでしょ…！！」
キツめに睨みを効かせながら、そう言う。少し長い前髪が目にかかり、鬱陶しい。
西谷「っ！？おいA、今何つった……！！！」
貴「聞こえなかったんなら、何度だって言ってやるよ！
僕が大人ぶってるんじゃなくて、西谷が子供すぎるだけだって言ってるんだ！！いつだって感情に身を委ねて行動して、気に入らなかったらすぐ怒る！子供だろ！！」
西谷「この…！調子のんじゃねぇよ！！」
小さな言い合いが段々とヒートアップし、今にも殴り合いの喧嘩が始まると思われたその時。
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雨智よゐ(プロフ) - ゆきとさん» コメントありがとうございます、そう言っていただけると嬉しいです！！ (2022年1月18日 22時) (
レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきと - 西谷 カッコイイ✨ (2021年12月13日 18時) (レス) id: fa3fd2ad4b (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - 猫築かなめさん» そう言っていただき、嬉しい限りです！応援ありがとうございます！！ (2021年2月5日 19時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - 無気力もどきさん» ありがとうございます！その言葉が、とても嬉しいです！続編を近々公開致しますので、もうしばらくお待ちください…。 (2021年2月5日 19時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
猫築かなめ - 面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年2月5日 18時) (レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨智よゐ
| 作成日時：2021年1月10日 11時
