意地と技術を持って ページ41
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これで24対22。まずいな、ちょっと焦ってきた。
ごめん、と片手のみ胸の前で立てて手刀を切る。「もう限界来たんでちゅかAちゃん??」とニヤニヤ煽ってきた田中には、タンスの角に小指をぶつける呪いをかけておくことにしよう。
ふう、と少し息を整えていればもう十数秒時間が経っていたらしく、相手のサーブが打たれた。日向狙いのサーブだったのだろうが、まだコントロールは甘い。
日向の分まで広めにカバーをしていた僕が、こちらへ流れてきたボールをレシーブした。ナイスレシーブ、という声の合間に聞こえてくるトスを呼ぶ声に参加しながら、助走路を走った。
田中「オラッ!!」
福永「!!」
影山がトスをあげた先に、すでに待ち構えていた田中。
彼はなかなか上手なことに、ブロックのさらに内側を切り込むようなスパイクで撃ち抜いた。
流石田中、
こちらが点をとったためサーブ権はこちらに移る。次のサーバー、確か東峰先輩か、とボールを手渡しながら、心の中でエールを送った。
バックライトの場所で待ちながら、後ろから東峰先輩のサーブの助走を聞く。シューズの甲高い悲鳴が何回か鳴って、そのあとに「ボン」という鈍い音と共にボールが相手コートへと向かって飛んでいった。
そのサーブをみて、思わず片眉を上げる。うまい。
いやもちろん威力だとか速さだとかはもう文句もなしにいつもうまいのだが、今回はそれに加えコントロールが、だ。
後衛セッターが出てくるところを狙ったようだ。しかもセッターが最初待機している場所というわけではなく、セッターがネット側に走る時に通る道に。
つまりセッターが触るしかない場所。なるほど、これはセッターが触っても触らなくても美味しい展開だ。流石三年生、頭いいな……。
急に目の前に東峰先輩のサーブが現れた孤爪は慌ててオーバーの構えをとるが、先程の僕同様にボールは大きく後方へ弾かれた。……24:24、並んだ。面倒くさいデュースだ。早めにケリをつけよう__。
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雨智よゐ(プロフ) - あままさん» 返信大変遅れてしまい申し訳ありません。支援絵のみの作品を作成してもいいのですが、分けてしまうとそちらのページをわざわざ開かなくてはいけないという一手間が増えてしまいます。せっかくいただいた支援絵は読者の皆様に見せびらかしたいのが本音です!!!(全力) (2023年3月30日 19時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
あまま(プロフ) - 頑張ってください応援してます!あと、思ったのですが支援絵と本編別の投稿にはしないのですか? (2022年11月18日 21時) (レス) @page16 id: 4346a5f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - らっこ星人さん» わかりにくくて申し訳ありません…最後のページに記載している通り、パスワードは114514となっております!続編もよろしくお願いします! (2022年10月2日 18時) (レス) @page50 id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ星人(プロフ) - すみません、続編を読みたいとですがパスワードがわからないです。もしよろしければパスワードを教えていただきたいです。 (2022年10月2日 7時) (レス) id: 60908efb0f (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - ただのバカですさん» 実際自分に小説更新を続けている意識があまりなく、漫画を読み返しているような気分で文字を綴っていますので、飽きる飽きないというのはあまり考えたことがありませんでした…。続編でもよろしくお願いします!! (2022年9月27日 8時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨智よゐ | 作成日時:2022年8月14日 8時