【HQ!!】転トリ高校生は今日も推しを愛でる

心配するやっくんは可愛い ページ30

赤いジャージを纏った人がチンピラCの腕を捻りあげる。



｢いだだだだだだ！｣



｢おい、早くどっか行けよ。｣



もう1人の人が私を庇いながらチンピラ達を睨み付ける。



チンピラ達は｢ひぃっ！｣と情けない声を上げながら逃げていった。



｢おー、やっくん怖。｣



｢お前だって腕捻りあげてたじゃねぇか！｣



うわぁ、クロとやっくんに助けられてしまった。すっごいかっこよかったんですけど！！



やっくん好きぃぃ！



『あの、ありがとうございました！お名前伺ってもいいですか？私はAAです。』



｢俺は黒尾鉄朗。｣



｢俺は夜久衛輔。大丈夫か？こんな所でどうしたんだ？｣



『大丈夫です！コンビニに絆創膏を買いに行こうとしてました。』



｢たく、何やってんだ烏野は！女の子1人で買いに行かせるとか。｣



やっくんが私のために怒ってくれてるじゃん。



幸せすぎて辛い。チンピラさん、私に絡んでくれてありがとう！



｢じゃあ、俺らも一緒に行こうか？｣



そう手を差し出すクロ。



その手をやっくんが叩く。



｢こら黒尾！図体でかい男がそんなこと言ったら完璧不審者じゃねぇか！｣



『だ、大丈夫です！』



私はこの機会を逃すまいと慌ててクロの手を掴む。



『良ければ一緒にお願いします！』



｢お前なぁ、学習能力無さすぎか！さっき男たちに絡まれたばかりだろ！｣



やっくん怒ってる！可愛い！



よしよししたい。



『でも、お2人は助けてくれたじゃないですか。』



私は少しいじけた素振りを見せる。



｢まあまあ、俺達も買い出しに来たんだからいいだろ？｣



｢はぁ、これからは気をつけろよ。今回は行ってやる。｣



『ほんとですか！ありがとうございます！』



私は今にもスキップしそうな足取りでコンビニへ向かった。



わ〜クロとやっくんとデートだ〜！



なんだかんだ優しいんだよ。やっくん。



チューとハグかますぞ。おらおら。



｢嬉しそうだねAちゃん。｣



『だってあのクロとやっくんだし、もう即尊死案件だからねぇ。音駒夫婦最高。』



「黒尾と夫婦…。やめろA。」



想像したのか軽く嘔吐くやっくん。かわよ。



待って…私今何言った！？



やっくんの言葉で現実に引き戻され、思わずはっと口元を抑える。



恐る恐る後ろを振り向くとクロと目が合った。

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