【HQ!!】転トリ高校生は今日も推しを愛でる

「作ってあげる」って何 ページ40

「まだ言わないの？」



唐突なツッキーの質問。



多分トリップのことについてだろう。



『何を？』



「何をって分かってるでしょ。」



ツッキーは長い指で眼鏡を押し上げる。



だが、こちらは一度も見ない。



『言ってもいいと思ってるよ。けど、なんか言うタイミングなくて…。』



「それは言いたいってこと？」



私はしばらく悩んだ結果、ゆっくりと頷く。



皆、素で接してくれてるのに私だけ隠し事をしたままなような気がして、最近罪悪感をおぼえてしまっている。



もし、気持ち悪いとか言われたらどうしようってすごく怖いけど、それ以上に私自身を見て欲しいとも思っての決断だった。



「じゃあ作ってあげる。」



『え？』



いつの間にか体育館の扉の前まで来ていたようで、ツッキーはそそくさと入って行った。



私たちが1番最後だったようで、皆さん勢揃いしている。



今日も今日とて推しが尊いことに感謝の念が耐えません。



心の中で悟りを開きつつ、ボトルを作っていった。



さっきの「作ってあげる」ってどう言うことだ？



分かったことはツッキーかっこいいこととツッキー可愛いことそれ以外ある？ん？



うーんとうなりながら考えても分からず一旦放置して作業を進める。



体育館に戻ると試合が始まっていて潔子さんがスコアをつけていた。



『どんな感じですか？』



「今日は東峰の調子がいいね。ボトルありがとう。」



『いーえ！流石旭さんですね！！』



そう言っている間にも点を決める旭さん。



お腹の底から響いてくるスパイクやばい！！



かっこいいの極みすぎてしんどい。



結果は旭さんチームの勝ちだった。

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