三話「妹達」 ページ3
「モルモット時間だ」
Aの一日の始まりはこの一言から始める。カプセル型の機械がAの寝る場所である。Aは寝ている間でも改造が行われている。
本日の実験は、肉体の再生時間を測るもので、肉体の一部を切り取り完全に再生するまでの時間をA自身と他人の治療を比較するという内容だ。
実験の結果はやはり、自身の肉体を再生するのには時間がかかるということが分かった。やはり、痛みなどにより集中が乱れるのが原因とされる。
午後は痛覚を無くして同じ実験をするようだ。
Aは休憩時間になったので、いつもの場所へ向かった。
そこは疑似的に再現された家にある庭のような所だった。皮膚に当たる風も草の匂いも太陽の光も全て作り物だというのに、何故か本物だと誤認してしまう時もあるほどのクオリティだった。
そんな空間にある大きな木に背中を預け、天井を見つめている少女を見つけると、Aは走って少女の元へと向かう。
「ミサカー！」
その声に反応したのか、Aの方へと顔を向ける。肩まで届く短めの茶髪に見目麗しいが何故か目に光はない。
「こんにちは、とミサカは護衛対象に対して挨拶を試みます」
「またおかしな喋り方して」
「そうですか？、とミサカは普段通りの喋り方を変と言われたので驚きを露わにして話します」
「あはは、相変わらずだね。あ、そうだ」
Aは所持していたデバイスをミサカに渡した。このデバイスはいわゆる電子書籍であり、Aにとって唯一の娯楽である。
「午後からもあるから、明日返してくれればいいよ」
「ありがとうございます、とミサカは早く読みたい衝動を抑えて感謝の意を表します」
Aは笑いながら、いいよと言った後。ミサカがデバイスを起動して本を読んでいるのを横から見ている。
「おもしろい？」
Aがミサカに聞くと。
「はい、とてもおもしろいとミサカは興奮により鼻息を荒くして話します」
ミサカは無表情でそれをいうので、Aはクスッと笑う。
用語集です！とある科学のヒーローアカデミア[裏]
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作者名：プディング | 作成日時：2020年4月15日 18時
