とある科学のヒーローアカデミア (ページ18)

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十八話「ギミック」ページ18

「ぅ、うわぁぁああー！」

「きゃぁああー！」

　突然現れたソレは受験生に恐怖の感情を振りまく。街中は阿鼻叫喚の嵐に飲み込まれた。

　誰もが逃げ惑う中、一人はただソレに立ち向かうように立っていた。

「ウェ～～～～～イ」

　立ち向かっていなかった。言い改めよう、ただ立っていた。目の焦点はおかしな方向を向いていて、口は半開きの状態でそこから、液体を垂れ流している。さらに手は親指を上げて、グッドとでも言いたいようなポーズで固定されている。

「え、立ち向かってはいないよね……とAは機械に轢かれそうな少年に危機感を覚えます」

　勝てる見込みがある？いや勝ったとしてもメリットはないとAは少年の行動を推測するが結果は、勝てる見込みがあって逃げないのではなく、何かの要因により逃げられないと予測したAは能力の切り替えを行う。

「ゔ……ゔぐっ、ぅあ゛…」

　胃の中にあったものをスッキリとさせたAは口元を拭って、巨大な敵と立ち合う。

「すぅぅーーとAは集中し、近くにあった瓦礫を電磁波で持ち上げ……対象の頭部を目指し勢いよく飛ばします！！」

　電磁加速を加えて瓦礫に威力を持たせ放つ。瓦礫は一直線に飛び、頭部を木っ端微塵に破壊する。それと同時に、勢いよく熱風が周りに吹き荒れる。
　数十秒ほどの、熱風が治ると……そこにいたのは、ウェ～～～～イと言っている少年と決めポーズをとってドヤ顔している少女だった。